+--- Cinema Memo ---+
■ 本当にそれでいいのかっ!?「ニューヨークの恋人」
2003年11月03日(月)
恋愛より仕事。王子様よりエグゼクティブの椅子――そんなケイトの前に現れた、ハンサムだが時代錯誤なファッションの男・レオポルド。礼儀正しいロマンティスト、全身全霊で女性を愛し守る彼は、まさに白馬に乗った王子様。「おとぎ話じゃ生きていけないわ」が口癖の現実主義者ケイトが、傷つくのが怖くて心にまとった鎧の下で、 ほんとはずっと待っていた“おとぎ話のような恋”。それは、ある日突然やってきた!
監督-----ジェームズ・マンゴールド 出演----メグ・ライアン ヒュー・ジャックマン
音楽☆☆☆ ストーリー☆☆.5 映像・演出☆☆☆.5 俳優☆☆☆ 総合評 ☆☆☆
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あらすじの通りの「おとぎ話」でございます。
ヒュー・グラントにおけるダメ独身モテ男のごとく、意地っ張りだけど本当は弱さを隠しているキャリアガールが当たり役のメグ・ライアン。私はこういう王道的キャラは嫌いじゃない。定番キャラも彼女の魅力と上手くマッチして、「やっぱりこういう役はメグじゃないと」と言わしめる好感度があります。
洗練された業界的職場、オシャレな衣装、住まい、面白い隣人や家族。ニューヨークの美しい街角の描写。そういったものが女子心をとっても気持ちよく刺激してくれる。しつこいようですが、嫌いじゃないです。ほんとです。難しいことはなんにも考えずに、ほんわかした気分になりたいときにはとってもいいリラクゼーションです。
しかし…しか〜し!!!「おとぎ話」にも業界仁義(?)ってモノが。せっかく面白い設定とキャストなのに、なぜここまで凡庸になってしまったのか!?!? ちょっとキャストの魅力と人気に寄りかかりすぎじゃないだろうか。
この手の話に真面目な考証などは要らないと思ってはいますが、隣人スチュアートの入院にまつわるドタバタもちょっとやりすぎ…「この状態を維持するため」「この展開にするため」のトラブルが見え見えなんだもの。
会話はそれなりに面白いし、仕事に関する絡みや、ケイトとレオポルドが惹かれあっていく流れもロマンティックで見ごたえはある。でも、やはり乙女チックすぎるというか…例えば「ユー・ガット・メール」のような、笑いの中にほんのり漂う人生の皮肉、苦味みたいな奥深さがない…(私はメグの恋愛モノではユー・ガット・メールが一番スキだ)
そしてなによりあのラストは…!? 結局(以下ねたばれ反転)
ケイトは身一つでレオポルドのいる過去の世界へ向かい、お姫様になってしまうという古典的というにはあまりにのけぞる結末。男尊女卑バリバリの時代だぞ〜。レオポルドが貴族でなく平民だったとしても行ったのか、ケイトよ? 現代には戻れないのに、男ひとりのために放り出したものの多さよ…。
それが、仕事と人生を積み上げてきたはずのニューヨーカーの出した結果なのか!? それが純愛の印だとでもいうのか!? 観客も納得してしまうのか!? ハアハア(興奮してどーする)
もっと気の利いた、いかにもケイト=メグらしい恋愛、決着のつけ方を期待していたのですが…。いかに舞台を美しく彩ったとしても、かなり肩透かしの結末でした。
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Written by
S.A.
映画好きへの100の質問
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