+--- Cinema Memo ---+


■ 金色の嘘 2003年06月19日(木)
かつて愛し合いながらも、貧しさを理由にイタリア貴族アメリーゴと別れなければならなかった美貌のアメリカ人女性、シャーロット。アメリーゴの婚約者は彼女の友人マギーだった。シャーロットはアメリーゴに未練を残すあまり、マギーの父でアメリカの大富豪ヴァーヴァーに嫁ぐのだが――ヘンリー・ジェイムズ原作の小説「金色の盃」をジェイムズ・アイヴォリー監督が映画化した文芸ドラマ。

監督-----ジェイムズ・アイヴォリー 出演----ウマ・サーマン ケイト・ベッキンセイル

音楽☆☆☆ ストーリー☆☆☆ 映像・演出☆☆☆☆ 俳優☆☆☆.5 総合評 ☆☆☆.5

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映像美ばっちりのアイヴォリー作品。私はウマ・サーマンが大好きのなので、いささかシャーロットをひいき目に観てしまいました(超個人的に、彼女の美貌は厩戸様と重なるのである)。
観てるうち、なんかこの物語は〜と思ったら「エイジ・オブ・イノセンス」の男女逆転版のようなところがあったような。ただシャーロットはもっと一途で大胆なんですが。上流階級特有の欺瞞、腹の探り合いと人間関係はアンモラルでスリリングで、そして最後は哀しい。
原題にもある金色の盃というのが途中で出て来るのですが、見かけはとても美しいのに、実は見えないヒビが入っている…そんな象徴として最後に砕け散ってしまいます。

けっこうドロドロした関係ではあるのですが、登場人物の矜持、美しい映像、あらわれる芸術品の数々がそれを俗っぽさから救い上げている。
なかなか味わいのある良い作品だと思います。原作はもっといろいろあるみたいなので、そちらも読んでみようかと。





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Written by S.A. 
映画好きへの100の質問



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