+--- Cinema Memo ---+
■ Nora<ノーラ・ジョイス/ある小説家の妻><☆☆☆>
2002年07月10日(水)
1904年、アイルランドの田舎で育った情熱的で奔放な娘ノーラは、自由を求め都会ダブリンへ飛び出し、ホテルのメイドの仕事につく。そして出会ったのが、貧乏な若い作家ジェイムズ・ジョイスだった。恋に落ちた2人は、閉鎖的なアイルランドをあとに、太陽の輝くイタリアのトリエステへ。だがジェイムズの書く小説は一向に売れず、酒にひたる日々が多くなる。1度は自分を抑えても彼に従おうとしたノーラだが、個性の強い2人は衝突を繰り返し、やがて…。
監督-----パット・マーフィー 出演-----ユアン・マクレガー スーザン・リンチ
音楽☆☆☆ ストーリー☆☆☆ 映像・演出☆☆☆ 俳優☆☆☆ 総合評 ☆☆☆
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映像---落ち着いた映像で、いかにもヨーロッパの映画という感じ。自然の美しさがふんだんのアイボリー作品などと違って、屋内の撮影が多い密室性が、なんかBBCで放映してしまいそうな淫靡な雰囲気(笑)
ストーリー---芸術家で不安定な夫を支えるのは逞しくしっかりものの妻、というのは日本だけのパターンなのか、このノーラという奥さん、かなり夫のジェイムズに負けないほどエキセントリック。当時の世相からしたら、かなり過激な夫婦と言えそうです。母や妻としてでなく、あくまで女としてジェイムズに接する激しいノーラの魂の根源にあるものはなんなのだろう。もっと自由な時代に生まれていたら、伸び伸び生きられたのかも?
キャスト---たぶん役者バカなら誰もがやってみたい役であろう複雑な性格のジェイムズ・ジョイスをユアンが熱演。エロティックでダーティな面もありつつ、やはり母性本能を刺激してしまう弱さが魅力か…この作品でも、美声を披露しております。
私見---二人の情念は、ある種の男女の間では現代も変わらず繰り返されているっぽい普遍的なものでもある。なんかけっこうドロドロしてるはずなんだけど、淡々と時間の流れや人間関係が描かれてるので見やすかった。ちなみに私は「ユリシーズ」挫折者なんですが――「タブリン市民」は短編だから読めるかなあ。今度チャレンジしてみます。
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Written by
S.A.
映画好きへの100の質問
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