**In my heart of hearts**
心の奥のこころ


2013年04月12日(金) 思い出す 1

あれは何年前になるのかな・・。まだみーこも生きていたし、前の仕事に就いてから2年目くらいの、もうずいぶん前のことと思う。 ありえないような偶然を体験して、その衝撃で初めて不眠とはこういう事かなんてしったりする。 いつも寺参りで降りる駅の正面。 その日 友達に誘われてたまたま待ち合わせする場所になる。 目的の場所はもっと先だったのに、たまたま友達がランチを食べたい店へ行くのに都合がよかったからだ。

車で迎えに来るその友達が来るまで、トイレを済ませることにした。出てくると駅の前には車を降りた友達と、もう一人、車から降りて道を尋ねている男性が二人だけ立っていた。

なぜ、こんなところで、偶然にその人が会うこともないはずの父親だったのだろうか。 姿を見るのはデパートで一度ある。もうそのときから何年だろう。やはり、10年近い時間だった。

8歳のときに父が家庭を捨てて、新しい人のところへと出て行った。
もう、戻ることはないんだと、なぜか本能的に理解していた。 そんな父に
鈍い怒りを燻らせながら、淋しい少女時代が過ぎていった。 会いたいとも思わなかったし、会えるとも思わなかった。会いたいのは7歳で出会ったかわいい恋人である弟のこと。父が連れ去った血を分けた兄弟だった。

21歳になって、母の知り合いの紹介で中学校の事務室で働く事が決まった。 すると、そこは、別れた愛しい弟が成長して通う中学だという事が判った。 父はPTA役員で頻繁に学校へ顔を出していた。 私のことを親戚の娘だと苦し紛れに人に告げるのを横で聞く。

1歳3ヶ月で別れた弟は14歳の少年になっていた。 どうしても話してみたくて、いとこなんだよとウソをついて、顔をみた。


 < back  index  go >


breath [MAIL]

My追加