昔の自分が詰まった箱を開けた。それは、小学生の自分の箱。 パラパラと、ノートを見る。およそ学習に関係しない散文の綴られたノート。拙い字が並ぶのを見て、少し笑う。それは、少しずつ上達していく。字を習っていた自分は、昨今より模範的な字を書いていた。けれど、どこか凝り固まった線で出来ていた。 ふと、一つの詩に目が止まる。『掃き溜めに現れた鶴。』さほど長くない詩を何度か読み返す。 嗚呼、あの頃の自分にも見えていたのだろうか。