空中楼閣

2004年04月27日(火) 何も無い部屋。

 
私に与えられた部屋は一つではなくて。
今こうして大半の時を過ごす部屋の他に幾つか。
その一つに、私が寄り付く事は無い。
 
その部屋には、何も無い。
薄ら気味の悪い感覚が私を包む。
長く居る事は出来ない。
恐怖にも似た寒気と、畏怖にも似た眩暈が起こる。
 
何故なら、そこには何も無いから。
ある種の完璧な空間が広がるから。
 
私は何だか末恐ろしい物を見たのかもしれない。
あの完全な部屋で。
だから、落ち着かないのかもしれない。
 
あの壁も、広がる直線も。
淀みない真っ白な空間も。
何もかもが私の喉を絞めてくる。
私は、私の部屋に居る事が出来ない。
 
それでも私には、この部屋がある。
ガラクタの寄せ集めでも。
この世の全てがひっくり返ったような部屋。
とても、落ち着く。
 
それでも私はあの部屋に行かなければいけない。
爆弾を抱えたまま。
 


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亨 [MAIL]

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