掃き溜めのような場所がある。 私の心の中の何処かに。 隅っこなのか、真ん中なのか。 奥底なのか、そもそも心自体がそうなのか。 はっきりと場所は特定できないけれど。 存在は確実に感じ取れる。
銀河を飲み込む混沌。 そんな飾り言葉は虚しくなるだけ。 所詮は掃き溜め。 笑っちゃうくらいにグチャグチャの場所。 アスファルトにこびり付いたガムみたいな。 雨の日に轢かれた薄ら白い蛙の屍骸みたいな。 どこまでも汚い場所。 ゾクゾクするほど汚い場所。
そんな中に潜り込んで、悠然とそびえ立つ人。 グチャグチャを掻き分けて入り込んで来る人。 いつの日か夢に見た、自分ではない自分。 決して成り得る筈の無い自分。
自分の顔を直接は見る事が出来ないような。 そんな、もどかしさ。 見る事は決して出来ないのに描き出される情景。 そんな、掃き溜めのような場所。 今日は少しだけ、近くにあるような感じがした。 あの自分が少しだけ、近くにいるような感じがした。
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