2007年01月09日(火) |
第644話 スイートメモリーズ |
先日お出かけしたおうちには子犬がいました。 生後2ヶ月だそうです。
「ハヒハヒ ハフハフ キャンッ!!」と急がしそうに動き回っていました。
私を見つめながら柵のすき間から前足を伸ばしては、ピンク色の肉球でペシペシと私の頭や背中を叩くのです。
さっきワクチン接種が終わったところだということで、今日は疲れないように出してはもらえないそうな。
私が笑顔だけ見せて遠慮して触らないでいると、子犬は柵を飛び越えようとジャンプし続けます。
・・・・あと5センチ高く飛び上がれば、柔らかなおなかが引っかかって出られそうな勢い。
でも、あと5センチ高くジャンプできるようになる頃には、このゲージはもう小さくて使えないかな。
40分ほど経過したところ。
出してもらえないとわかると、座り込んで一心不乱にカーペットやらトイレシーツやらを齧ってました。
そして1時間が経過。
目新しい人が来てるのに出してもらえないことがわかったのか、ジャンプし続けるのに疲れたのか。
「くぅぅぅん・・・」と一声鳴いたかと思うと悲しげに背中を見せました。
・・・・・ああ、この子もハートわしづかみの技を生まれながらに持ってるわー。
ペシペシと叩いてきたときの柔らかくてひんやりする肉球の感触、 トイレシーツを直してやったときに齧りついてきた細い歯の痛み、 甘い息のにおい。
は〜・・・懐かしい。
帰り道に思わず口ずさんじゃったよ。 松田聖子のスイートメモリーズ。
♪懐かしい〜 痛みだわ〜 ずっと前に〜忘れていた〜♪
6年とちょっと前、ノアがあのくらいの頃、噛んで噛んで仕方なかったっけねえ。
ありとあらゆるものを噛みまくっていたけど、一番好きなのは人間の手や腕に噛み付いてじゃれることだったっけ。 私の腕は細い傷跡がびっしりだったっけ。
生後35日ぐらいのノア。
過ぎていった甘い時間を思い出すと、わたしゃ胸がキューンと・・・。
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