2011年11月07日(月)
観劇
ペダル踏んで踏んで長良川を渡る。
舞台版「ゲゲゲの女房」を観て来ました自転車で。 愛しの梅様が地元に来て下さるとは。
| 最初のチラシ。 夫婦以外の配役は全く謎。 |
| 2版目のチラシ。 役名はついているものの 相変わらず謎。 |
貧乏を耐え忍び支え合う夫婦の絆の物語・・・が テーマだという先入観で観たのですが 強烈な印象で心に切り込んで来たのは 時代の流れに乗って成功した者たちの陰で 流れに取り残され淘汰され 落ちぶれて消えていく者たちの悲しい最期でした。
「自分の選んだ道をひたむきに生きていれば来るべき時が必ず来る」 という言葉の通りに、水木夫妻は成功を収めたけれど 紙芝居屋のおっちゃんや貸本出版の社長だって 最後まで自分の信じたものを諦めなかったのに救われなかった。 それでも、この世から消えてもなお妖怪に姿を変えて 水木夫妻を祝福し、感謝し、見守っているだなんて。 なんだか納得できないけれど、 そう思うことでやり切れなさから逃れられるのなら。 この世界で生きていく上で 逃れられない無常、悔い、悲しみ、罪悪感、 そういったものから心を開放するために 人は妖怪を創ったのかもしれないな と思いました。
紙芝居屋さんを演じた大和田獏さんの熱演が素晴らしくて 終演後にチラシで確認するまで その人が獏さんだったことに気付きませんでした。 いやチラシを見ても「あれ?獏さんどこに出てた?」ってぐらい。 境遇は違うものの、 肺がんと闘いながらボランティアで紙芝居を続けていた 岩がん太さん(元コント0番地)と重ね合わせてしまったので 余計に心に響いたのかもしれません。
さてチラシではオカマ役に見えた梅ちゃんですが 実際は男役でした。派手な。 派手でテンションは高いけど 貸本出版社の社長で、貸本が廃れ経営が立ち行かなくなっても なんとか水木先生の作品で会社を盛り返そうとがんばった 不器用で根は真面目。ぴったりですよ梅ちゃんに。 病気でひっそりと亡くなったあとには 貧乏時代、水木先生に払えなかった原稿代が 封筒に残されていたと仲間から伝えられました。 成功を収めた水木先生にとってはわずかな金額なのに そのために慣れない肉体労働を。 かっこいいよ梅ちゃん!あ梅ちゃんじゃない。根津田さん。
基本おどけキャラなので いちいち首を機敏にくるっくる回したり 怒るとほっぺたをぴくぴくさせる顔芸とか やっぱり梅ちゃんはテレビより舞台向きだなあと思いました。 (この話はまた後日。誰も読みたくないかもしれんが。) 冒頭と最後には、ねずみ男となって出ていましたが (正確には、ねずみ男となった根津田さん) それは出演が発表になった最初のチラシの時の予想通り だったしWAHAHAでも色んな扮装をしてるので違和感ない・・・ と思ったら若干姿勢が良すぎた。 でもそれがまた梅ちゃんらしさなので愛せる。 梅ちゃんこの仕事楽しかったかなあ。大変だったかも。
あとねえあとねえ、 セットが素晴らしかったです。 大きな装置を一瞬でガーッと転換させるところ迫力ありました。 4列目端だったので良く見えました。 ぬりかべのでっかさは予想外。かわいさも。
締めようと思ったら主演のことを何も書いてなかった。 水野美紀さんかわいかったです。 アドリブで笑わしてたの彼女だけだったような気がする。 私が気付いた限り。 渡辺徹ちゃんの水木先生は、向なんとかって人よりもかなり 水木しげるっぽかったです。
ただの亭主関白にも見えたけど 女房が満足ならそれで幸せなのですね。
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