2010年12月18日(土)
芳香
ここ数日、家に帰ると玄関先でいい匂いがして 何かの花の匂いのようなんだけど 沈丁花も金木犀もロウバイもクチナシも 咲く季節じゃないし そもそもこの通りには沈丁花ぐらいしかないし なんの匂いだろう?って探しまわったら 向かいの家のヒイラギに細かい花が咲いていました。 顔を近付けると確かにこの匂い。

今の住人の前にこの家に住んでいた人が植えた木で 少なくとも40年は経っているらしいのですが、 家の家族の誰もこんな匂いを嗅いだ記憶はなく この木に花が咲くことを知りませんでした。
もしもこの花にこの匂いがなかったら こんなに小さくて控えめな花ですから たとえ40数年で初めての開花だったとしても 誰も気づかなかったかもしれません。

陽の当らない北側で 誰も世話をしていないのに 壊れた雨どいから落ちる雨だれを糧に ひっそり生きて来たヒイラギ。
子供の頃かわいがってくれた 優しいおばさんのこと 縁側で絵本を読んでくれたお姉さんのこと おぼろげな記憶が 花の向こうに浮かんで来ました。

ちなみに今年の元日の日記の ツララの写真もこの木。
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