MUSIC春秋
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 2008年06月20日(金)
Don't stop running!




開演10分前に
同じ列の5人ぐらい左隣りに見つけた横顔に
心臓がどうかなっちゃうほど驚く。
会うのは5年ぶり。声をかけたいけど
もし他人の空似だったらどうしよう、と
迷っている間のドキドキ具合と言ったら
ただでさえ
12年ぶりのY&Tのライブの直前だし
すきっ腹にビール飲んだし
ああでもなんかこれはやっぱり
女性ホルモン的なドキドキかも
なんてこと考えてる自分が自分でキモイ
ああキモイなんて使っちゃった今年で42なのに
そんな自分がまたキモイ
と、こんなに混乱したままじゃとても
ライブを楽しめっこないので思い切って…と
思ったその時、何気なく目をこすったそいつのその
目のこすり方には確かに見覚えがあったので
後ろから近づいて肩を叩いた。

*    *    *    *

開場から15分過ぎても
フロアはスッカスカだった。
最盛期から20年以上経っているし
私と同年代の人たちでさえ知る人しか知らない。
はたして今夜E.l.l.がいっぱいになるのかどうか
私は本気で心配していた。
蓋を開ければそれはまったく無用な心配だったのだけど
そんな気持ちで臨んだからこそ
涙が出るほどの感動を得られたのだと思う。
懐かしいフレーズに沸き立つ客席。
歓声と大合唱とたくさんの腕。
青い目で金髪で文化も環境も全然違う
海の向こうに住んでいるのに
どうしてそのメロディにこんなにも胸を掴まれる。
はるか昔の高校生の頃何度も聴いたあの声とギターが
今また目の前で。
そしてさっきまで見ず知らずの他人の集まりだったフロアが
同じ思いでいっぱいになる。
国境も時間も越えて心がひとつになった瞬間
音楽ってなんてすごいのかって今更ながら思った。
そんなこととっくに知ってたはずだし
そもそもこの感動を求めてライブに通ってたはずなのに
こうやって忘れかけたり思い出したりしながら
歳を重ねて来たよね。進歩がないようなあるような
ないのか。
でもこれからもそうやって生きていくと思うよ。
好きなんだもんロックが。


※    ※    ※    ※

身に覚えのないトイカのエラーのために
慌てて往復切符を買って名古屋に来たのに
思いがけない再会につい帰りの切符を放棄。
(いや泊まったんじゃなくて車で送ってもらった)
喉がカラカラになるまで喋って笑って喋って笑って
こんな風に誰かと話すのは久し振りだって
ホントかウソかわからないけど
どっちだっていいや
本当に知りたかったことはついに聞けなかったけど
余計なことは考えないで
ただ楽しかったから
今も元気なのがわかったから
また会えることがわかったから。




Y&T Japan Tour 2008 in NAGOYA
/大須 Electric Lady Land



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