2005年08月15日(月)
映像作品における音楽の重要性について
| 電線アート。 |
ドラマ「女王の教室」を毎週観ています。
1回の番組中に必ずかかる曲が2曲あります。 チューブラーベルズ(エクソシストのテーマ)を 彷彿とさせる、ホラーっぽいピアノで始まる 怖いイメージの曲と、 フルートの音が優しく、ほのぼのとした 明るいイメージの曲です。
怖い方の曲は どんな所にもいきなり (何故か闇を背負って)現れる 鬼教師の恐ろしさを演出していて このシーンだけ見たらまるでホラーです。 しかし、 眩しい緑のある通学路や明るい空の下で ふざけ合う子ども達のシーンに必ず流れる ほのぼのと優しい曲は このドラマの結末に 希望を約束してくれているようです。 当初から、 この曲の効果はとても大きいと思っていました。
そして前回の放送では更に2ヶ所、 効果的なサントラに気付きました。
鬼教師が生徒の前で説教するシーンは毎回あり、 「イメージできる?」と 「いい加減に目覚めなさい。」は、 「この印籠が目に入らぬか。」や 「じっちゃんの名にかけて。」や 「月にかわってお〜しおきよ〜。」と 同じ類の決まり文句で この日も同じように使われていました。 話している内容もいつものように、 言われてみれば正論ながら それを小学生に言うのはあまりにも厳しい言葉で、 悪魔のような鬼教師への 反感を増長させるシーンのはずなのに 今回は突然 生徒思いの熱血教師のように見えてしまいました。 その時流れていたのが とても優しいピアノの曲だったことが その理由の中で最たるものだと私は感じました。
そしてその後、元気に登校してくる生徒達を 校舎から無言で見下ろす教師の顔は どこまでも無表情でしかないのに 慈愛に満ちた穏やかな顔に見えたのは やっぱりその時のBGMが優しく明るい曲だったから。 教師が何を考えているのかはまだ謎なので もしもそのシーンで いつものエクソシスト調の怖い曲がかかっていたら 同じ表情も何かをたくらんでいるような 恐ろしい顔に見えることでしょう。
無意識のうちに音楽に導かれながら 陰惨な結末に向かわないことを期待させられつつ 謎が明かされるその時を とても楽しみにしています。
ところで、 我が家では固有名詞は適当に言って 面白かったものが定着する、というのが 家風です。 このドラマも 母親が(ほとんどわざと)言い間違えた日からは 「女王の喫茶店」と呼んでいます。
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