MUSIC春秋
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 2005年08月10日(水)
真夏の夜の夢

♪足跡/フラワーカンパニーズ

ガスビルとアタイ。


フラカンのアコースティックライブは初めてだったので
どんな感じになるのか想像できず
とても楽しみだった。
いつもとは全く違うフラカンを聴いてくれ、
とメンバーも言っている。

いざ始まってみれば何のことは無い。
力強くて熱くておセンチな
鈴木K介氏の歌は
いつもとそんなに変わらなかった。

よく男子がカラオケでT○B○の歌を
M田さんになりきって
ビブラートをたっぷりかけて歌い上げるような
いかにも上手い歌なんて
実は誰でも簡単に歌えるんだ、
まっすぐに歌うことの方が本当は難しい
とK介氏は言った。
まったくその通りだと思った。
鈴木K介の「歌」は
彼以外の他の誰にも歌えないと思う。
だからライブで聴くことは
とても価値がある。
3時間半も立ちっぱなしでくたくたに疲れても。
(アコースティックなのにどういうこっちゃ)

そんな彼の歌を聴いていてふと
もうずいぶん前の8月のある日のことを思い出した。
勤労会館の憂歌団のライブに行った時のこと。
駅に着いてから開場までの間
時間に余裕があった私は
鶴舞公園の噴水の上で(噴水の上?)
駅で買ったパンをスズメに分け与えながら
のんびりかじっていた。
その時、少し離れた所で
数人の若者がギターを弾いたり歌ったりしていた。
その頃は駅や道端などでO崎やN渕の曲の
弾き語りをするのがとても流行っていたので
最初は特に珍しく思わなかったけど
そいつらがよく見る弾き語り野郎達とは
ちょっと違うことはすぐにわかった。
特にヴォーカリストは
空に向かってわあわあと大きな声を張り上げて
なんだか好き勝手に歌っているようだった。
誰かに聴いてもらおうという気取りは無く
ただ歌いたくて
思いを吐き出したくて歌っているように見えた。
広い公園なので
どんな歌なのかまではわからなかったけど
珍しく好感を持って私は見ていた。

もしかしたらあれは
フラカンだったんじゃないかって
今日のライブを観ていて私は思った。
偶然にも開演前のBGMは憂歌団で
なんだかドラマチックな小技が効いている。
あの時名前を聞いておけばよかったと
今さら後悔しても遅いのだった。

そんなのただの妄想だ。
でも、
あれがフラカンで無かったとしても
フラカンもかつてはきっとあんなふうに
ケッタに乗って公園なんかに集まって
ギターを弾いたり空に向かって歌ったり
していただろうし
あの時のミュージシャンたちも
今夜どこかのステージの上にいるのだとすれば
まあだいたいのところ、
同じことだと思うのだ。



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