「にこにこばかりもしてられない。」
DiaryINDEX|past|will
いい試合だった。 結果が準優勝。 すてきだ。 ごきげんだよかーちゃんは。
ゴキゲンかーちゃんそのまま学校に用具の片づけに向かう。 学校のグランドでは3年生以外の学年が練習していた。
グランドに、ゾノさん。普段着にサンダル履き。 「準優勝やったんやて?」 「はい。いい試合でした。」 「そう、よかったねぇ。ボクも日頃指導してたものとして嬉しいねぇ。」
はっ、とした。
穏やかな言い方だけれど悔しさ、の、ようなものがにじんでいる。
今日の試合、ゾノさんは来てなかった。 そういえば公式戦でコーチベンチにゾノさんは座らない。
今年の3年生はずっとゾノさんが指導していた。 3年生担当のコーチは2人いるけれど、 2人とも仕事の都合で土日の練習に数えるほどしか来れなくなってしまったから、 ゾノさんは自分の息子の学年の指導を他のコーチに任せて、 3年生をずっと見てくれていた。
なのに、コーチベンチにゾノさんの席がない。
「試合、来てくださったらよかったのに。」 「いや、ボクが行っても煙たがられるだけですよ。」
え。
指導者サイドの大きな壁から 一瞬、どろりとしたものが洩れ見えた。
|