「にこにこばかりもしてられない。」
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ずっと連絡の取れなかったおかあさんの叔母さんが 老人ホームにいることがわかった。 うちからそう遠くない場所だったので、 道のわからないおとうさんとおかあさんを案内して、みんなで行くことにした。
83歳になる叔母さんは食堂でテレビを見ていた。 車椅子に座ってはいるが、元気そうで、顔色もいい。 おかあさんとあれやこれや話し始めた。
子供たちが邪魔にならないように、飾ってある工作や、写真を見て歩く。
叔母さんの名前を見つけた。 「今年の目標」という入所者からのメッセージだ。 風邪をひかない、元気に過ごす、などと書いてある中で、 叔母さんの書いた文字は何度も上からなぞってあって、なんて書いてあるのかは読めなかった。 ただ、最後の行に、大きく、もう亡くなったご主人の名前が書いてあって、 その脇に小さく叔母さんの名前がカタカナで添えてあった。
ああ。私が老いて、最期に残るものは、なんなのだろう。
ホームを出て、おかあさんと並んで歩く。 おかあさんに、私が一番近くにいるから、なんでもことづけて下さい、と言ったら、 「ああいうところはな、頻繁に行くとやっかまれて 叔母さんがいじめられるから、あんまり行っちゃダメなんよ。」 と、おかあさん、つらそうだった。
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