「にこにこばかりもしてられない。」
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湾岸戦争が始まった時、 私は社会に出たばっかりの小娘だった。
会社のテレビで戦争の中継を見た。
うそだろ。 戦争やってる。 本当に戦争やってる。
私、こんなとこで、コンパニオンのおねぃちゃんのプロフィールに スリーサイズ書き込んでる場合じゃないんじゃない?
沖縄から、アメリカの船が出てる。 戦争に行く船が出てる。 やたら、同盟国だなんだって急に言い始める日本政府。 緊迫感のない役人の会見。
戦争だよ? 私の母が子供のころB-29の機銃掃射で死にかけた、あの戦争だよ。 裏山にそのままになっていた防空壕のぞっとする匂い。 日常が戦争だった50年前。
この戦争はどうなるの? どう言い訳したって、日本が「敵」に見えるはずだよ。 自衛隊で、戦争するの?
この戦争、止められるの? どうしたらいいの?
「おー!やっとるなぁ!」 チーフがテレビを見ながら、野球かサッカーでもやってるように言う。 「どうしたー。心配してんのか!」 「この戦争、やめさせる方法ってないんですかねぇ・・・。」 チーフ、のけぞって大笑。 「キミ!キミの小さい頭で考えたってなんともならん!そんな小さい頭で!」 う。 「ほんっまに、キミはアホやなぁ!」
仕事に戻った。 戦争は続いた。 そして私の日常に関係なく、終わった。
だけどね、チーフ、私今でも思うんです。 小さい声でも言わなくちゃって。 何にも言わずに見ない振りして私の親達が過ごした時代を、 今度は繰り返さないって。
アホのまま、母親になりました。 強力なアホにステップアップです。
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