おならでぃず
ライブ&映画のくり的感想。

2003年10月18日(土) 安部公房展@世田谷文学館

"安部公房展"[没後10年] Kobo Abe Exhibition @世田谷文学館
2003.9.27-11.3.

うかつにも、開催されてることに全然気づきませんでした。勝手に配布されてる
「ぱど」という世田谷区の小冊子?に出てたので知りました。自分情報遅すぎ!
早速HP見たらすでに講演(島田雅彦氏など)も終わってしまった後でかなり
悔しいのだけど、映画はまだだったのですぐ予約してみました。間にあって
良かったーって訳でとりあえず展示会に速攻行ってみました。
会場は広いところではないのだけど、マニア心をおさえる品揃えで興奮しました。
花田清輝や野間宏への個人的な手紙とか、一番初めに書いた小説のほんものとか、
安部氏の母が小説を書いた時の新聞記事とか、今まで出たハードカバーものとか、
いろいろいろいろ楽しいものが満載でした。世界中に翻訳されてる安部氏の作品を
一同に集めたものとか、ほんとにワールドワイドなんだなぁーと、その本の装丁を
見てるだけでもずーっといられます。創作メモ(ポストイット)とかわくわくする!
シンセサイザーとか、ワープロとか、時代を考えたらほんとすごいと思うし、
文学だけでなく、映像や美術や写真や発明品や、天才はあらゆるものに才能を出すし、
そーいう人こそ、手紙に書かれてるよーな心配りができるんだなぁみたいな。
プラハにいっている間に、日本にいる奥様に書かれた手紙はほんとステキです。
あーいうおちゃめな部分もあったなんて、やっぱりステキな人だわ〜♪

15分くらいの映像を観れるブースもあって、そこは「繭の内側」という
コンセプトで、安部氏の部屋を撮った写真を使って映像にしたもので、3面の
スクリーンにひたすらそれが映し出され、手前の机上にワープロのディスプレイを
映した状態で『飛ぶ男』の文章が映し出されていくという凝った演出がなされて
ました。聴覚的にも鼓動が心地いいです。まさに繭の内側ってことです。

繭といえば、高校の現国の教科書で『赤い繭』が載っていて、授業でいつか
やって欲しいと思ってたのに飛ばされて何気に哀しかったのを思い出しました。
当時の現国の先生に密かに訴えたけど、カリキュラムとかあって難しいんだって。
がっかり。てかJ先生元気なのかなー?ちょっと今更会ってみたいです。
外に高校の教科書も何冊か置いてあって、見ていたら、赤い繭とか他の短編とかが
載っていました。文章の後に幾つか問題が載っていたのだけど、どうしてこうなった
のでしょうか、みたいな質問があまりに難しいと思われ、模範解答はいったい
どーいう風になっているのかとても気になりました。
当時、現国って授業でやる時とか試験とかも他の教科より断 然スキだったけど、
今から考えると難しいなぁと思います。こーいうものに答えを出さなきゃいけない
先生たちってどういう気持ちで教えてるんだろ。不思議です。
作者しかわからないことや、作者にもわからないことが小説には内包されてるだろうし。

あーあ、全集29巻まで全部欲しいです。裏まで凝ってるんだよね〜ステキ☆
1冊は持っているのであと28冊。\5700*28=約16万かー。誰かください。


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