おならでぃず
ライブ&映画のくり的感想。

2003年08月10日(日) 土門拳 全仕事・傑作展@日本橋高島屋8Fホール

"土門拳 全仕事・傑作展"@日本橋高島屋8Fホール

最終日は早く閉館してしまうとのことで、行くなら今日しかないことに
気づき、日本橋まで行ってみました。
もともと土門さんについてはよく知らなかったのだけど、行ってみたら
古寺巡礼の人だーということに気づきました(遅っ)
会場は予想以上に多くの来場者が。人が連なっていました。
仏像の写真や、寺、焼物、人形などなどなど、これぞ日本というものや、
戦争に関するもの、その時代時代を映し出しているもの、など全仕事という
だけあって、様々なものを撮っている方なんだなぁと思い圧倒されました。
スキだったのは昭和初期?の頃の東京の写真。人々が活気に溢れているし、
建物や乗り物や町並みが、ただ実用にせまられているのではなく、デザイン
的にも面白がってる感じがして(時代が違うからかもしれないのだけど)
イキイキしていました。元気な時代があったんだなぁーと。
印象的だったのは、というか、ぐさっと刺さって来たのは炭坑のこどもたちの
写真です。父が病気で入院し、母が出稼ぎに行っている為に小さな姉妹だけで
生活しているものや、姉弟が階段のとこでみかんを分けて食べているもの。
学校のお弁当の時間に、お弁当をもってくることができない児童が我関せず
みたいに絵本を見つめているのもの。たまんないなーこれは...(涙)
そーいう時代に生まれ、そーいう境遇に生きていたこどもたちは、あの小さな
体ですべてしょいこんで耐えていたんだなぁと考えると、何ともやりきれない
気持ちになってしまい、なんだか辛くなってきてしまいました。
そこを通ってきた人と、何の苦労も知らないでのうのうと生きている自分と。
何も言うことはみつかりませんです。

炭坑と言えば、安部公房原作の映画を思い出します。何作かそこを舞台にした
ものがあるのですが、閉山した村のそこはかとない哀しみみたいなものは、
独特の世界だなぁーと。佐藤慶とか出てくるやつ、あの作品なんだったかな?


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