2003年07月02日(水) |
『人生は、時々晴れ』@日比谷シャンテシネ |
『人生は、時々晴れ』2002英仏合作 (原題:All or Nothing) 脚本+監督:マイク・リー 出演:ティモシー・スポール/レスリー・マンヴィル/etc.
マイクリー監督ってことだけでなく、邦題もステキだったのでかなり気になり 観にいってみました。下半期1本目にして早くもマイベスト入りする勢いでした。 この監督は脚本がなく、頭の中に全体的な構想があるだけで撮影に入るという 方法で撮るらしいので、役者と監督で自然に出てくるものからみんなで創り出す ということによるリアルさというのがほんとによくできているなぁと思います。 それ故か、とにかく俳優の演技がうまいというか、それを観てるだけでぐいぐい 引込まれます。ただただ黙ったまま陰鬱な顔をした家族が映し出される訳ですから こーいう映画がダメな方は全くダメだろうと思いますが、私はこの妙にリアルな とこがたまらなくぐっときてしまい、なんてエモい映画だろうと思いました。 フィル(主役)が言うのです。 「起きたことは仕方がない」 「明日はいいことがあるだろう」 「運命だ」 「金はなくても愛があった」 「愛がなくなったら何もない」 「無意識にしている。愛してない」 「君を不幸にするのが辛いんだ」 「心がかさかさの老木だ」 「仕方ないさ」 ある日、何もかも嫌気がさした、と、失踪して海へ行き、波打ち際にひとり立ち、 寄せては返す波を見ているのです。ただただ見ているんですね...。エモいです。
脚本がない、というつくり方から『2/デュオ』が思い出され、無表情な人達から 感情が出る表情を見つけつつ『アキカウリスマキ作品』を思い出し、私のスキな 要素がいっぱい詰まったステキな映画でした。キマシタです。 見終わった後、ずしーんとひきずります、これは。もう1度じっくり観たいです。
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