KALEIDOSCOPE

Written by Sumiha
 
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  終わりを求める気持ち


2003年04月14日(月)
 



終わりを求めるのはまだ何も始まっていないと気付いたから。



戯けた言。

いまはもうなにも考えないで静かに眠りたい。夢も見ない深い眠りが欲しい。頭が疲れと酔いとでフラフラになっている。その頭から生み出される文章の何と滑稽なことか。ここまで書いた文章を読み返して自分で笑ってしまった。酔いのせい。そうでなければ時間(現在時刻午前零時十四分)のせい。眠気のせい。何かのせいにするのは簡単だ。結局は己の文章力の無さかと自嘲する。

家の前の八重桜が満開だ。所用で十九時ごろ外に出た。電灯の人工的な白い光が桜を照らしていた。湿気の混じった、なまあたたかい風が吹いていた。八重桜はソメイヨシノと違い、ピンクが濃く出た花を葉が出てから咲かせる。ぱっと見で綺麗という印象は持てない。葉の緑と花びらのピンクはひどく不釣合いで不調和だ。それでも夜、一つの小さな電灯に照らされた八重桜をあでやかで綺麗だと思った。そして不気味だとも。闇に浮かび上がる桜が不安を呼び起こすのは、春のなまあたたかい風が原因か。湿度と気温の高さによる不快指数の高さが原因か。あるいは誰もいない一人の状況? あとになって降ってきた音のない雨に気付いてつらつら考えても結論を出せない。酔っ払いの思考回路では無理もないかとまた自嘲。

出かけた先で会った人は半袖シャツを着ていた。ああそうかこの蒸し暑い気温だから当然か。寧ろまだ早すぎると思った私の服装の方がおかしいのだ。(流石に冬物のコートは着ていないが)長袖のTシャツにジャケット、Gパンという出で立ち。去ってしまった冬を追いかけている。しつこく未練がましい性分は自分でも嫌になる。季節の変化を受け入れられない狭量さにも。季節は変わる。どんなに受け入れたくなくとも。そうして年月を重ねてどれほどの時が過ぎたのか。もう数えるのはやめてしまった。夏は嫌いだ。移り変わる時に馴染めず年ばかり重ね心は置き去りに。吹っ切れたつもりになってもつもりで終わっていたらしい。思いを馳せても何度考えても辿りつく結論は同じ。無駄。すべては無駄。時を止められないならば何もかもが無駄なのだ。同じ結論にまた今も達し考えるのをやめる。懲りずにまたすぐ過去を振り返ってしまうだろうが。たぶんそれで正解なのだ。忘却は罪だと知っている。夏は嫌いだ。思い返しては痛む心に途方に暮れる。それが私に与えられた罰。だからくるしさをいつまででも受け入れ続けよう。季節が過ぎる。私はただ眺めている。ひとり立ったままで。



BGM
L'Arc〜en〜Ciel
NEO UNIVERSE
finale
 



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 廻れ廻れ独楽のように  
 止まった時が命尽きる時  
 廻れ舞えよ自動人形 
 踊り疲れて止まるその日まで