野球日本代表への疑問 - 2004年08月28日(土) 城島が大会中、よく口にした言葉。 「プロである以上、最高の準備をして最高の結果を残したい」 選手がその気でも、その選手を取り巻く環境がプロ意識を持っていなければ何も始まらない。今回の銅メダルという結果は、選手とそれ以外のチームに関わった人間との意識の差が生んだ結果だった。 なぜ本大会に監督不在で臨んだのか。中畑、高木、大野はプロ球団で監督経験のない人だ。そういった人に日本最高レベルの選手達を集めたチームの指揮をとれというのはあまりにも酷だ。このチームは、長嶋ほどの求心力をもった人物だからこそ、結成できたチームなのだ。長嶋とタイプは違うが、同じレベルのカリスマ性をもった星野などに監督就任を本格的に要請すべきだった。「長嶋ジャパン」といった名に最後までこだわったのはなぜなのか。こだわってしまったがために、「甘さ」が生まれてしまった。 コーチ陣はオーストラリアチームの先発・オクスプリングの情報収集を万全に出来なかったという。予選、準決勝と2度同じ相手に負けるというのは許されない。この思いが強ければ、万全にできたはずだ。監督歴があり、試合の勝ち方を知っている星野が指揮をとっていたらどうなっていたか。情報収集を万全にし、勝つ試合を展開できた。そう考えずにはいられない。 バントの指示が出て、露骨に不満の表情を出す選手がいたという。コーチ陣と選手との間に温度差があった。あれほどプライドの高い選手達が集まれば、説得力のある監督の存在が不可欠だった。 最強チームを結成したことで、金メダルを取れる可能性は高くなった。しかし同時に、どんな言い訳も一切許されないチームになってしまった。オリンピックに出場した野球チームの中で、これほどまでに本気なオールプロチームで臨んだ国は日本以外にない。そのうえ、アメリカ、韓国が出場していない。だからこそ、絶対に金メダル以外許されない状況になってしまった。 選手は精一杯がんばった。僕もそう思う。しかし、「普通にやれば金メダルは取れるだろう」、こういった甘い考えがコーチと選手には少なからずあったと思う。「最高の準備」はチーム内で本当にできていたのか。疑問に残る。 -
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