「…黒羽君どうしたの?」 「あー…ちとスネちゃって。」
ソファーの背側に顔も体も向けて寝転ぶ快斗。 長い手足も背も丸めてピクリとも動かないさまはどう見てもスネていた。
「今度は何をやらかしたのよ」
哀の冷たい視線は犯人を確定するように睨み付けてくる。 …いや、確かに今回も犯人は彼の最愛の溺愛の目に入れても快感だと思っているかわいい奥様だが。
「あー…うー…1ヶ月放置した?」
「疑問系で答えないで頂戴。」
「いや、オレだってそんなつもりは無かったんだが、気がつけば…」
思い返せば多分1ヶ月前。 いつもどおり「事件だ!」の一言で飛び出して行って1週間ほど警視庁にカンヅメになってみた。 そしてようやく片付いた事件に疲労困憊に帰ってきてみれば、愛しい旦那様は奥様に会えないまま隣人に色々お願いしてその前日にアメリカ公演に旅立っていた。 カレンダーの公演予定をチェックしても後のまつり。 出発前日の日についたシルシはデートの約束だったと言うことも本当にいまさらのように思い出した。 そして約2週間後、公演の後の片付けや諸事を全てすっ飛ばして旦那様が帰ってくると予想していた奥様は、その前日からしっかり準備をしていたのだが、そこにまた入った「難解な事件」の協力要請の電話。 旦那様が帰ってくる前に片付ければいい!と意気揚々と出かけていったら、これまた見事に犯人や証拠を追いかけて全国を駆け巡る羽目に。 そしてようやく事件の片もついてハッと気づくと、予想していた旦那様の帰宅日からすでに1週間が経過していたのである。
「…そうね。1週間ぐらい前からこの家に怪しい気配が漂っていたものね。」 「…やっぱりそうか?オレが帰ってきた時からこの状態で返事もよこさねーんだよ…」
1ヶ月も会ってないのだし、自分だって反省してるのだから会うなり飛び掛ってきてもよさそうなものを。(ぇ)
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めも。 |
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