「いつもにこにこ・みけんにしわなし」
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2009年04月23日(木) ミーの指導

「ただいまー!あー!もうモックンちょっと来てっ」
帰るなりミーが兄を呼びつけて注文をつけた。

「ジャージのズボン、あげすぎやねん!」

なにがありましたか。

「おかあちゃん聞いてー!
今日は全校集会があったわけよ!
それで、ミーの友達が、”ミーのお兄ちゃんて、どれ?”っていうからさ、
探して、あれ、って言ったわけよ!
そしたら!
モックン、ジャージ上げすぎて、パッツンでさぁ!足首見えてるわけ!
”えー!あれがー!”って言われたわけよミーはっ!」

「え~、見えてないよぉ~。フツーやんかぁ~。」と兄が反論するも
「あかんっその位置ではあかんのっ、もうちょっと、ここ!」と
兄のジャージをつかんでビミョーな位置までずり下げて指導。

「だってぇ。ボク、腰パンは気持ち悪いからいややねん。」
「腰パンで、パンツ見えてるのは、あかんねん!けど、パッツンはもっとあかんねん!」
「ええやんかぁ、こんなことくらい~」
「あっっかーーーーんっっ」ミーは一呼吸置いて言い放った。

「ミーが恥ずかしいねんっ!」

のほほんとして他人ごとの兄だが、妹にとっては我が身に降りかかる災難らしい。

「それからほれ!髪!」
「何よお、フツーやん。」
「立てて!」

あぁ。なるほど。寝グセは直すものの、ヘルメットをかぶったままの素直な髪形ですね。

「あかんの?」
「あかん!立てる!友だちに”な、なんか、あれね。”って言われんねんでっミーがっ」
「あれってなんやねん。」
「ほら、だからあれ、・・・えー、そうっ地味!
このままではミーのにーちゃん、ジミーズに仲間入りやっ」

おとなしくて目立たない地味な男の子は、ジミーズと呼ばれて女の子に避けて通られてるらしい。

「別にええのにぃ、地味が好きやのにぃ。」
そういうあなたの滋味が母も好きなのにぃ。

「あかんっ!あとはなぁ、そのソックスもだっさい!」
「へ???靴下の何が?」
「そういうスポーツソックスは、あかんことはないけどモテへんの!
モテるのはな、チェックとか、細かい柄のやつ!おかあちゃん!!」
「ハイっ」
ここでミーの指差し確認は私にも向けられた。
「明日、ちゃんとしたソックス買ってきて!」

うう。

「いいやんかぁ~」と妹の迫力に押されっぱなしの兄。

「んー、そうねぇ。おかあちゃんの希望としてはさ、
”ミーちゃんのお兄ちゃんて、どれ?”
”あれ”
”わぁ~結構イケテルぅ”
っていうほうがいいねぇ~。」

「やろっ?今のままやったら
”わぁ~なんであれなん?”やでっ!」

「あれ、ってやめろあれって。」

「でもってさ、
”モックンの妹って可愛いよなぁ”
ってモックンの友だちに言われるのがおかあちゃんの夢。」

「あ。それは、言われるよ。」

あ。言われてんのか。
あー、だからかー。
ミーちゃんは同学年の友だちからも、先輩からもかわいがられて
こんなかわいいミーちゃんのおにいちゃんて、きっとどんなに!
という期待の目で兄を紹介させられてるわけか。

で、この兄か。

・・・・・・・なるほど。そう思えば地味ですな。
だってよ。モックン。

「うぇ~、めんどくさいやんかぁ~。」
「あっかーん!」

さっそく、ズボンの位置の微調整を厳しくたたきこまれたあと
ドライヤーで髪を立てる量と位置決めの指導が入りました。

「うん。これなら、まぁまぁイケてる。
わかった??あしたから、それやで?
おかあちゃん、靴下、絶対買うてくるねんで!」

ハイ。

さて、地味から脱出なりますかどうか。


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