ほら見せてごらん。
大丈夫、見るだけだよ。
彼は優しい笑顔でそう言ったのに。


さあ始まります。
ちょっと歯医者報告２。


予約した時間に歯医者のドアを開けると、
見慣れない先生が１人いらっしゃいます。
ああ、きっと親知らず専門の先生だな。

「おねがいします・・・」震える声で告げ
あなたそれはちょっと痩せすぎじゃないですか、
そう言いたくなるような親知らず専門の先生に
診ていただきました。しかしほんと先生ガリガリ。

そうしてあたしの恥ずかしい写真（レントゲン）を
見ながら説明を始めるガリガリ先生。
やっぱ歯ぐきが腫れてたのは親知らずのせいだって。

あたしとしては、
今日歯を抜くつもりなど毛頭ないわけです。
夜の予定もあったので今日は話だけ聞いて
帰ろうと思ってたんですが。


なんだかおかしな方向に。


明日休みだから大丈夫だよねとか言ってる。


「あの、まさか・・今日抜くとか言います？」


「うーん、抜いちゃいましょう！（明るく）」



待て待て待って！聞いてないよー！
そこに無造作に麻酔の注射とか置くのやめてー！
歯科衛生士のお姉さんも「抜くんですか？」なんて言うのやめてー。



「いやいやいやいや今日は話だけって」


「大丈夫、説得させて！」


説得させて。ってあなた。
切るとか割るとか縫うとか痣とか腫れるとか
聞いてたらさらにいやになってきましたわい。
先生はあたしのことヤリたくてうずうずしてたけど、
あたしはヘタレなんで帰ってきちゃいました。


「いつか必ず抜く日が来るからね」


帰り際、そんなステキな捨てぜりふをいただきましたトホホ。

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