シブヤっちゃいましたvvv - 2004年03月21日(日) ということで、ネタバレです。 18日。 6時間舞台を観て、夜の部がA列の通路側の席で。 真横に、マリーを捜しに行くときのナオヤがくるような場所で。 そこからだと、2階に伏せてケンイチに「ごめん」って号泣するところが見えないんですね。 ナオヤの姿かたちも見えないよ!みたいな(笑) それで、この席で一番衝撃を受けたのは、トシミの股間に手を伸ばしたときのナオヤの表情でした。 ちょうど、それが真上に見えて。 にたあ、って笑うその表情が、めちゃくちゃ不気味で。 脳天がつーん!とやられちゃいましたよ、お兄さん!!みたいなカンジでした。 「あ、そんな顔するんだ」 って、とにかく衝撃を覚えたのよ。 あの表情を見れただけでも、収穫あったなぁ、と。 ずっと、トシミを追っかけまわすナオヤも、アオヤギのお父さんがパンツ1枚で出てきて、それで客席に背中向けて、くっくっと笑ってるナオヤが、謎だったんですね。 個人的に。 なんで笑ってるんだろう? なんで追いかけてるんだろう?って。 でも21日に観て、ようやく。 マリーとアオヤギ父のやってることを察知して、ナオヤはトシミに仕返し(って言葉変かもだけど)をしようとしてたんだ、と。 くつくつと笑ってるのは、あんな恰好で出てきたのに、 「お父さんと呼びなさい、他人の前では!」 と体裁を取り繕うアオヤギ父がおかしかったんだ、と。 それぞれ自己解決いたしました(笑) くつくつと笑うのは、Mさんたちと話してて、気付いたんだけどね。 そうそう。 ウェルテル。 ある意味、すごいオイラの注目どころなんだけど(笑) 18日昼は、ウェルテル客席につっこんでいきました。 自由だよ、ウェルテル・・・。 「キャッ!」とか小さな悲鳴とかもあがっちゃったりしてて。 マリーもナオヤも噴出しちゃって、マジ笑いになっちゃってましたもん。 おもしろいぞ、ウェルテルv(笑) その代わり、夜は、すごく綺麗に弧を描いて天井の方へと羽ばたいていきました・・・☆ 21日、昼は、くるうっと回って、階段に着地。 なんか、どんなウェルテルでも慈悲深い表情で眺めなきゃいけないにのもキョンキョンも大変だな、と思いました。 それから、ハプニングといえば。 18日は、アオヤギ勢い余って、こけたし。 トシミは、階段にぶつかるし。 大丈夫か!?っていう場面がありましたけど。 21日昼は、アオヤギさんが、2階から落ちる場面で、ちゃんとマットの上に落下できず。 マットで一回バウンドして、床の上に落ちちゃったんですね。 しかも家とマットの間だから、見えないのね。どこにいるか(笑) 「アオヤギさんっ!?」と駆け寄るフナキもどこか、笑いを堪えてるし。 それで、これからどうすんのやろ、って思ってたら。 ナオヤ来て、一緒にアオヤギさんを持ち上げるんだけどさ。 ナオヤ、全然ダメなの。 持ち上がらないの(爆笑) たぶん笑っちゃってて、力が入らないんだと思うんだけど。 すっごい時間かかってた、「体が動かねーよ!」ってセリフに行くまでに。 とりあえず、マットの上を通って、家に上がらなきゃいけないんだけどさ。 ダンボールとか半壊してるから、ナオヤがちゃんと立てないのよ。 手間取ってたら「足場が悪いからな」ってフナキのアドリブもあったりして。 その後、壊れたダンボールが転がってたりしてたのを、それとなく決められた動きみたいに、直したりしてたのがさすがだな、と思いました。 そうそう。 あと、ナオヤとフナキのシーンで。 ちょうど、3回ともきっちりあのシーンが観れる場所だったのよ。 ナオヤの唇に触れる手も、抱き寄せられてフナキのポケットに拳銃が入ってることに気付くところも、きっちり観ました。 あの見つけて、怯える表情が大好きです☆(殴) でさ、抱き寄せたときにフナキはナオヤのシャツを捲くるじゃないですか。 ・・・あれ?違ったっけ? あれは、ナオヤが逃げようとするから、ああなるだけ?そっか。 ともかく、それで18日夜は、上着の背中の方が捲くれちゃってて。 ちょっとばかりオカシナカンジになっておりまして。 少しだけ笑ってしまいました(笑) 解釈の話をすると、あれからだいぶ変わりましたよ。 もう、半分以上、判んなくてもいいや〜って思ってるんだけどね。 やっぱり観てると気付くことも多々あるわけで。 そのおかげで、氷解する謎と新たに浮かび上がる謎があるわけで。 あの、救われないナオヤの物語で、結局最後の差し出された時計の意味するところはなんなんだろうと、気になるけど判らないままなんですよね。 廃墟をぐるぐる回ってケンイチを見つけたナオヤ。 最後にまた、廃墟をぐるぐる回ってマリーを捜すナオヤ。 あそこにフナキが現れなかったら、ナオヤはもう一度、ケンイチを見つけるんだろうか? そうしたら、結局、登場人物は全員、ナオヤの抱いている妄想の中の人物? 「明日が来ない日」を同じように回り続ける? 実在するのは、あの最後に現れたフナキだけだったりして。 ナオヤが時を止めた人々の中で、唯一止まらなかった人物。 彼に時計を示すことで、ナオヤ自身の時が止まるんだろうか。 ・・・僕の時を止めてくれ、ってそういうことなのかな。 「成長のとめっこをしてただけじゃないか」 ・・・あ、そうか。 あの時計は、ナオヤ自身が決めた「幸せの象徴」だ。 「ケンイチくんのお母さんが買ってくれたんだ」 「僕だけに買ったりするから・・・ッ」 そう思い込んで、「お母さんに愛されていた証」にしようとしてた。 それをフナキに示したってことは、ナオヤの幸せをフナキに決めてくれ、って言ってるんだろうか。 マリーを救う手段を持っていた人。 マリーを好きでも、手に入れることができなかった人。 ナオヤは、ケンイチを殺したことで、ケンイチのお母さんへの思いを発露させたけど。 フナキには、それができなかった。 境遇が似てるふたりだから、フナキの時間を止めることができなかった。 そして、フナキだけは、ナオヤの時間を止めることができる・・・? とりあえずキャラの投影、というのなら。 ナオヤ=フナキ (絶対に手に入らない人のことを思っている) ケンイチ=アオヤギ (愛を獲得できる) マリー=ケンイチくんのお母さん (愛される対象) トシミ=アキ (妹、兄の死体を発見する) それぞれが、それぞれに投影されているから、ナオヤの記憶がそこかしこで刺激されて、過去が入り混じってくるんだろうね。 で、にのがラジオで言ってたようなのだが。 やっぱり、ナオヤは2千円を返しに、あの場所に行ったんじゃないと思うんだよね。 どこかへ出かけようとして、お母さんの面影に触れようとあの廃墟に訪れた。 だけど、そこに居たのはケンイチくんで。 ケンイチくんは、今日が自分の誕生日だという。 もしかしたら、この時点で時間軸がズレてるのかもしれない。 本当は、ナオヤが廃墟に足を踏み入れた日は、11月17日ではない別の日で。 ぐるりと廃墟の周りを回って、ケンイチに会ったときから、「11月17日の夜」が始まったんじゃないだろうか。 それだったら、ナオヤが誕生日?と聞き返すのも納得できる。 忘れてたんじゃなくて、17日じゃなかった。 それ以外に理由を求められて、とっさにでてきたのが「2千円」。 ケンイチは2千円を貸したことを覚えてなかったし、ナオヤもどうして借りたのか、っていう明確な理由を言ってない。 ナオヤは、嘘つきで、思い込みが激しい。 結局受け取れられない「2千円」は、嘘なんじゃないかなぁ。 それとね。 気になるのが、誰も「ナオヤ」って名前で呼ばないんだよね。 「ナオヤ?」 「たしか、そんな名前だった」 っていう会話があるくらいで。 ・・・オイラの印象にないだけなのかな? でも「お前」とか「便所の落書き」とか「あの子」とかで。。。 ケンイチは「友達のナオヤと」って言ってるけど、あれも呼んでるわけじゃないし。 やっぱり、全てがナオヤの中の世界だから、誰も名前で呼ばないんだろうか・・・? うーん、そんなとこ気にするのおかしい? シナリオ本、まだ手元にないから、確認できないんだけど。 誰も「ナオヤ」って呼んでないと思うんだよね。 名前で呼ばれないのは、なんか意味あるんかな? 響きわたるカノン。 赤く咲き誇るゼラニウム。 泣きそうな顔で笑うナオヤ。 幸せになれない、救いは無い。 だから、救いをフナキに求めた。 なんとなく、そう思った。 フナキと会って、ナオヤに訪れるのは新しい明日、なんだろうか・・・。 いろいろ、細かく。 書こうかな、とも思ったけど。 観てない人用にストーリーを書きたいんだけど。 無理っぽいです(笑) マリーの話は単純なんだよ。 娼婦をしていたマリーを囲っていた田宮という男が、命を狙われ失踪。 彼の指示で、マンションを出たマリーは、渋谷の廃墟に自分を慕うアオヤギと共に隠れる。 そのうち、田宮は追っ手に捕まり、殺される。 アオヤギが手すりから滑り落ちて入院している間に、アオヤギの父と妹が廃墟を訪れる。 アオヤギが父の財産に手をつけていたことが、判明。 しかし、それによって、マリーはアオヤギを愛する自分に気付く。 一方、同じくマリーに思いを寄せていたアオヤギの親友・フナキは、マリーの命が狙われていることを知り、なんとか彼女を救おうとする。 そのうちフクダが、怪しい動きを見せたため、追跡。 田宮の舎弟がマリーを狙っていることを知り、彼らを殺そうと決意する。 しかし、アオヤギとマリーが思いを通じ合わせていたときに、黒い服の男によって発見され、殺される。 フナキが戻ってきたときには、すでにふたりとも息絶えていた。 ね?判りやすいでしょ。 ・・・なんか、こうやって書いたら、ナオヤ居ても居なくても一緒、ってカンジだね(笑) まあ、意図的にナオヤの存在は排除して書いたんだけど(笑) これに、ナオヤが絡んでくるとややこしいんだよ。 あ?でもナオヤの話だけなら、それはそれで、単純なのかも。 数年前、ケンイチの母に一方的な思いを寄せていたナオヤは、その思いのあまり、ケンイチをナイフで刺して殺した。 それからしばらくして、ケンイチの、今はもう廃墟と化した家を訪れると、そこにはケンイチが居た。 彼の誕生日プレゼントを買って帰ってくると、ケンイチの姿はなく、マリーがそこに居た。 マリーにケンイチの母の記憶をだぶらせたナオヤは、マリーに特別な感情を抱く。 しかし、マリーはアオヤギを選び、ふたりは殺されてしまった。 信じたくなくて、優しいマリーとの幸せな情景を思い描くナオヤ。 「幸せになるって、とても簡単ね」 そう言い残して、優しいマリーもまた、どこかへと行ってしまう。 やがてフナキが現れ、現実が突きつけられる。 「成長のとめっこをしてただけじゃないか」 そう言いながら、ナオヤは腕時計を差し出した。 これだけ。 うん。すごいシンプルだ(笑) はしょってるけど、意味は通じるな。 はい。 こんなマリーとナオヤの話が交差してるお話でございますわ。 とりあえず、言えること。 この舞台、観れてよかった。 それだけ。 ふふふふ。 ...
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