本牧の外人BARにて。 - 2002年08月20日(火) それはもうかなり昔のこと。 18で東京に連れ戻されたはいいけれど、仕事のあてもなく しばらくはあちこちと風来坊なバイト生活を続けていた。今で言うフリーター生活。 曇った日は先っぽが雲に隠れて見えなくなる東京タワーがすきで そんな景色が間近に見える場所にある妖しい会社で電話番のバイトをしていた。 そこに同じくバイトに来ていたカメラマンの男の子とちょっとだけ仲良くなった。 彼の所属していた会社は、今は無き原宿セントラルアパートにあった。 そこのカメラマン集団と何度か出かけたりして遊んでいた。 あるとき、その連中とアメリカン大リーグを横浜に見に行って その後、本牧の外人BARでみんなで飲んでいた。 今でもあるのかは知らないけど、当時、愛知県から出てきたばかりの小娘にとって そこはかなりの異質な雰囲気で、ビールを瓶から立ったまま飲むのもそこでは常識で (当時、そんな飲みかたをする店など日本では皆無に等しかったと思う) 10人程のグループの私達以外は皆外人さんで、多分外国船の船員さんたちだったんだと思う。 混みあう店内でピアノを勝手に誰かが弾いていたり 私達の何人かは飲みながらダーツで遊んでいたのだけれど 十数人のうち女の子は私ひとりだったしダーツなんてその頃はまだやったことがなかったから、一人、みんなのゲームを見ながら壁際に置かれたちょっと高めのスツールに座ってビールを飲んでいた。 と、いかにもって感じのかっぷくのいい酒に酔った外人さんのおっさんが、両手を広げ、なにやら英語で、「ん〜もぉ〜♪」とかいいながら私に近づいてきて、いきなりガバッと抱きしめられた。 なにがなんだかわからず、びっくりして抱きつかれるままになってる私を 仲間内の一人が、そのおっさんに英語で説明してくれてやっと解放される。 どうやら娼婦と間違われたようだった。 慌てて助けに来てくれたその若いカメラマンの子と抱きついてきたおっさんのやりとりは、ジェスチャーがまるで大袈裟で、映画のワンシーンのように覚えている。 そんなことを、先日手に入れた、じじばば写真集の1頁を見て思い出しました。 今日は台風一過ですばらしく気持ちのいいお天気。 ・・・・・・・・・・・・・・ さよなら幻 踊りだす指先 宿題残したまま 素晴らしい風向き カモミールフレイバーの星 涙を拭いたなら 絡みついた糸を断ち切って 膜の外に連れ出してやろう 『 ハネモノ 』 スピッツ より ...
|
|