う た う ひ と 

2003年11月26日(水) 最後の場所

紅茶色の夕陽に
髪を透かして
ゆっくりと流れる
窓をただ眺める

少しだけ泣いた
君の横顔は
瞼の淵がほの紅く
ひたすらに静か

出逢いの場所と
同じところで
終わりにしようか と
君がそっと云う

冬の気配と風に圧され
僕らの恋は
もうすぐ終わりを告げる
思い出の駅で

こんなに自然に終わってしまう
そのなにもかもを 誰も止められないと
判りすぎてなにも云えなくなるよ
伝えたい言葉はたくさんある筈なのに

出逢いの場所で
君が立ち止まる
おどけて耳を塞ぎ
声もなく呟く

 出逢うこと なかったよね
 なんで出逢ったんだろう

人込みに紛れて
君が消えてゆく
あの日追いかけた
背中が遠くなる






















 Back  Index  Next


あかり [MAIL]

My追加