| 2003年07月11日(金) |
仕事を辞めて 遠のいた夢 |
仕事を辞めてもうすぐ1ヶ月が経とうとしている。 仕事を辞めたことを後悔したことなどただの一度もない。 けれど 仕事を辞めたことで私は手にしかけていた大きな夢をまた手の届かない遠くへと逃してしまった
あれは何がきっかけだったんだろう 数ヶ月前私は 「 上等のカメラが欲しい! 」 と強く思うようになった。 私が愛用しているカメラは主人が最近買った携帯についているカメラよりも画素数が低い。 「 上等のカメラが欲しい! 」 一度思い始めたら日に日にその思いは大きく大きく膨らんでいき それからというもの私はパートからの帰り道、毎日毎日三宮の 「 ○電社 」 に足を運ぶように なっていった。
1階のデジカメ売り場にズラッと並ぶカメラたちはどれもこれも輝いて見えた。 手にしたこともないような高級なデジカメを恐る恐る手に取ってみる。 ドキドキした。 ほんとうにドキドキした。
片っ端からカタログを集めて持って帰り、毎晩その写真や性能を見比べては 「 こんな写真が撮りたいな 」 「 これなら私程度の腕前でも少しは立派な写真が撮れるかなぁ 」 とワクワクもした。
どうしても欲しかった。 どうせ買うなら多少高くても良いものが欲しい。 もう買い換えることもないだろうし。
私が 「 これ! 」 と決めたカメラは発売がまだ1ヶ月も2ヶ月も先のものだった。 たぶん7万円近くするだろうという代物だった。 37年間生きてきて私が自分で買った一番高いものは5万円のロングコート。 いくら働いているといえ7万円なんて1年がかりの買い物になるだろう。
私が高級デジカメを欲しがっていると知って主人は 「 全く理解できない 」 といった顔をした。
「 そんな高いの買ってどないすんねん。 今ので十分撮れてるやないか 」 そう言われて。 私は初めて主人にカメラや写真に対する思いを一生懸命語ったのだが いくら語ってもなかなか理解してくれない主人を前に、悔しかったのかなんだったのか 涙があふれて止まらなかった。
「 そんなに欲しいんやったら買ったらいい。 どうせやったら高いのん買え 」 ようやく分かってくれた。
そして 「 買ったるから 」 とも言ってくれた。 なのに私は 「 自分で買う 」 と言い切ってしまった。
「 なんでやねん。 せっかく買ったるって言うてんのに 」
「 ううん。 頑張って働いて手にしたお金で自分で買いたい。 ほんで宝物にしたいねん 」
今思えばあんなこと言わなければ良かった (笑)
買うと決めてからも私は毎日○電社に通った。 発売日がなかなか発表されなかったから。 そんな私の気持ちとは裏腹に発売日はどんどんどんどん先に伸びていき・・・
そんなことをしてる間にパートを辞めることになってしまったのだ。
パートを辞める。収入が0になる。それどころか家計のやりくりも大変になる。 当然カメラはあきらめなければならないだろう・・・ パートを辞めると決めるときそのことでかなり悩みはしたが、体力の限界と子供たちのことを 考えると背に腹は代えられず・・・
今トップに飾ってあるハーバーランドの写真。あれを見て
「 今のカメラで十分やん 」 と主人に言われ。
つい 「 そんなことない。あのカメラやったらきっと もっとずっといい写真が撮れてた いいねん。 いつか絶対あのカメラ買うから 」 と言ってしまった。
「 まだ買うつもりなんか? 」 主人は少々 いや かなりあきれ顔だった。
「 泣くほど欲しかったんやもん。 何年かかっても絶対に買ってみせんねん 」 うん。 夢を失ったわけやない。 毎日いろんなもの我慢してったら、いつかきっと買える日がくるやろう。 それまでに立派な道具に見合うだけの腕になっとかな。
と書きながらまた泣いてしまった (笑)
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