やっと・・・ やっと亮輔が髪を切った。
髪を切ると決めてから
お父さんに 「 どんな髪型にするねん 」 と聞かれ
「 前髪はまゆげくらい。 横は耳が隠れるくらい。 後は切らへん 」 と答え。
「 ほとんど変わらんやろ! もっと男らしくばっさり切らんかい! 」 とどやされ。
「 「 横は耳が隠れるくらいに 」 ってお願いしたら後はそれに合わせてかっこよくしてくれるから 」 と母が間に入った。
行き着けの美容院に入ると美容師さん、亮輔の顔を見るなり 「 暑苦しいからばっさりいくか? 」
おびえる亮輔(笑)
椅子に座らされ、もう逃げられない。
「 後は? どれくらい切るの? 」
「 後は切らへん・・・ 」 むっちゃ小さい声でつぶやいている
「 ほな長さは切らへんけど、暑苦しいからてっぺん切ろ! 」
「 ・・・・・・・・・・・ 」 明らかにおびえている(笑)
遠くからクスクス笑いながら様子を眺めていると。
あ〜あ〜 てっぺんちょんちょんに切られてもてるし・・・
パイナップルや(笑)
鏡にうつる亮輔は・・・ もう半泣き状態(^-^;
美容師さん 「 ほら! かっこよくなったわ! てっぺんの毛を立てるのが難しいかも知れんけどな 」
椅子から立ち上がる亮輔は力なく・・・ 顔色は青ざめ・・・
美容院からの帰り道ずっと無口で・・・ 右手のひらは頭のてっぺんを押さえ(笑)
と、そんなときに限って前方から同級生2人(^-^;
「 よぉ!亮輔!! 」
「 ・・・・・・・ 」 手は頭のてっぺんから離れずうつむいたまま知らぬ顔の亮輔
「 お友達やろ? 返事くらいしいや 」
「 ・・・・・・・ 」
気持ちは分かるけど (^-^; すぐ伸びるから気にすんな・・・
あんたが心配するほど誰もあんたの髪型に注目してへんやろし(笑)
次の日学校から帰った亮輔に
「 その髪型。みんなになんか言われた? 」 と尋ねてみると
「 あれ? お前髪切った??? 切ってへんか? 」 と言われたらしい。
あれだけ切ったのに気づいてもらわれへんて。 ある意味むなしくないか? (^-^;
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