なべて世はこともなし
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2007年03月13日(火) Q400の胴体着陸騒動に一言居士

昨日の日記と今日の日記の共通点は、どっちも企んで書いていないという点です。つまり、書く前に「結論をここに持っていこう」とかそういうことをまったく考えていないのです。昔はほんとに今みたいに何も考えずにただつらつらと書きなぐってほぼ毎日更新していたのですが、だんだん更新頻度が下がるにつれて、日記の内容を考えながら書くようになりました。どっちがいいかはにわかには断じかねますが。というわけで昨日に続いて本日も誤字脱字御免、校正なしの思いついたままのテキトー日記です。


そもそも今日は日記の更新をするつもりはありませんでした。が、日本のニュースを見てしまい、おそらく他のブログでも取り上げられているであろうネタを私も取り上げようと思ったわけ。日頃は時事ネタをにわか評論家になったってつまらないのでやらないんですけど。


もうおわかりですね。そのネタは全日空の胴体着陸騒ぎ。


まず事実。私もこの件の「欠陥」が囁かれている機材Q400で出発地への引き返し騒動に巻き込まれたことがあります(関連日記はここここ)。そのうえで言いたいんだけど、私、このヒコーキが大好きなんですよ。油圧だとか構造だとかは私にはよくわからない世界です。だけどね、このヒコーキ、乗っててわくわくするのだ。「ああ、オレ、今飛んでるんだなー」って。


まず、プロペラ機であまり高い高度を飛ばないから地上の景色がよく見える。ある時なんて空から花火大会を見て猛烈に感動したこともある。全部かどうかは知らんけど、高いところを飛ばないもんだから、酸素マスクの設備もついてないらしい。


翼が高いところについてるからその翼と一緒に見る地上ってのがまたステキなんだ。機体中央部の席に座ると、主翼の車輪の格納なんかを見ることができて、着陸の瞬間なんてタイヤが地上を蹴るところを見ることもできる。とにかくね、もう男だったら絶対わくわくするって断言してもいい、ジャンボだなんだの大型機にはない魅力があるのだ。だから私はこの機材に乗る時は必ず窓際をリクエストしていつもコドモみたいに額を窓に押しつけて外を見ている。


もっと言えば、機体内には確か80か所だかにマイクロフォンがついてて、そこで拾った振動と逆の振動を与えることで機内の静音化に成功してるんだそな。実際ジェット機にはかなわないけど静かで乗り心地もいいし、もし、737かQ400どちらかに乗れて言われたら、私は迷わずQ400を選びます。たとえ今回の騒ぎの後でも。


…と同時に、ハインリッヒの法則に従えば、今回の騒ぎは重大事故への警鐘ととることもできる。


Wikipediaより転載。


「災害」について現れた数値は「1:29:300」であった。その内訳として、「重傷」以上の災害が1件あったら、その背後には、29件の「軽傷」を伴う災害が起こり、300件もの「ヒヤリ・ハット」した(危うく大惨事になる)傷害のない災害が起きていたことになる。


(転載ここまで)


今回の騒ぎ、機長の冷静・沈着な対応で大惨事を防ぐことはできた。だけど、今回の件から学ばないと、このハインリッヒの法則に従えば、重大な惨事が後に起こらないとも限らないわけで。


で、全日空という会社、万が一にもこの後機体を全損するような事故が起こったりしたら大変なことになることは分かっているだろうから、何らかの再発防止策を出してくると思う。だけど、どうもマスコミは「Q400=欠陥機」として叩きたいみたいだから、おそらくそういう論調を張ってくると思う。


すると、昨今の日本の風潮からすれば、全日空がどんな立派な再発防止策を出しても、このQ400の使用をやめない限り、今度また何らかのさっきのハインリッヒの法則で300にあたる「ヒヤリ・ハット」で大騒ぎすると思う。ほんで乗客の不安をあおり、航空会社に対する悪い印象を与えようとするのではないかと。そういうふうに考えると、全日空はちょっとくらい損をしてもこの機材を手放せば、「公共交通機関としての社会的責任をきちんと負っている会社」なんて褒められるんじゃないかなと思う。


逆に、論理的に数字を使って「この機材は決して欠陥機じゃないんですよ」なんて証明しようとすると、たとえその証明が可能でも全日空は「欠陥機を使い続けようとする会社」なんて悪く言われて、数年前の日本航空みたいに叩かれる羽目になるかもしれない。


つまり、私のシロートの意見としては、「この機材は決して悪い機材じゃないけど、手放したほうがたぶん全日空にとっては正解」だと思う。


さあ、全日空がどういう手を打ってきますやら。ちょっと興味を持ってみてます。




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