なべて世はこともなし
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2006年09月20日(水) 決戦の木曜日(1)...ダブリン家がある!シリーズ3その(6)

注:一部の写真は、カーソルを当てると説明が出るようになってます。

翌日は、木曜日。家の退去期限まであと10日。そろそろ決めないとやばいかも…という状況。かくして、会社のコンピュータと電話を駆使して家探しを開始。あ、仕事なんていいんです。私の人生がなんとかなるように仕事をしているのであって、仕事のために人生があるのではないのです。


かくして仕事そっちのけで、4物件の内見のアポを撮ることに成功。


午後6時30分。Collins Avenue East, Dublin 5 2ベッドルームハウス、月1,200ユーロ(個人物件)。

午後6時45分。Collins Avenue East, Dublin 5 2ベッドルームハウス、月1,100ユーロ(不動産屋物件)。

午後7時30分。Collins Avenue Extension DCU前。2ベッドルームハウス、月1,100ユーロ(個人物件)。

午後8時。Beaumont, Dublin 9 3ベッドルームハウス、バス2ヵ所。月1,300ユーロ(個人物件)。



ほとんど分刻みのえらく忙しいスケジュールです。しかも、確かに狙ったには違いないのですが、全部、アパートではなく家です。見所は、一件目と二件目の物件、同じ通りにありおそらく同じ間取りの家なのに、どうして家賃が違うのか。そして、アパートと家、同じ家賃ならどっちがいいのか。


この中での私の本命は最後の3Bedrooms House。私としては、仮に700ユーロ払うことになったとしても、この家がいいと思った。ちなみに、ひでかすは「絶対に600ユーロ以上は払えない」とわかりやすい線引きをしてきたので、この家がいい場合は、私が余計に払うことで話をまとめようと思ったわけ。


私がこの3bedrooms houseを本命にする理由はまずは場所。バス停から徒歩数秒というロケーション。実は最初の2軒のCollins Avenue Eastの家はうちの近所だからよく知っていて、あまりよくない感じの家が並んでいるのだ。それに、3Bedrooms Houseの家を二人でシェアするとなると、残りの一部屋をコンピュータ室とかにしたりとかいろいろ余裕のあることができそうだ…などと白昼夢。そして、三軒目が、ちょっとしたダークホースといったところか。


かくして午後6時30分。まずはジャブをかます感覚でCollins Avenue Eastをちょっと入ったところにある最初の家に。


外から見た感じは…なんだかな。とても小さい行き止まりにある家でおそらく築80年はたっていると思われる。ただし、場所はいい。数系統のバスが走るバス停まで徒歩2分。


外のおんぼろさからは意外や意外。中は実にきれいに改装されていて、きれい。それもそのはず、大家さんは私たちの年齢に近く、自分が住むようにこの家を買ったものの、事情があってイナカに引っ越すことになったらしい。つまり、貸すようではなく自分が住むように家をきれいに改装していたわけ。


この家、リビングのほかにダイニング、さらにゲストルームまであるといえば響きがいいが、その実昔に建てられた長屋。ひとつひとつの部屋が細切れで小さいだけのこと。なんだか「もう、ここにしよう」という決め手に欠ける。

真ん中の家が該当物件。せ、狭っ。


で、次の家は、偶然にも同じ通りにある…はずなのだが、なぜか見つからない。アイルランドでは家の番号が順に並んでいるはずで、番号をたどっていけば目的の家にたどり着ける…はずなのだが、この通りに限っては、なぜか行き止まりの通りなどが入り混じって複雑怪奇になっているのだ。


物件は、こんなくそ狭い路地の奥にありました。わからんっちゅうの。


ひでかすとふたりで右往左往していると私たちの後ろでクラクションを鳴らす車がいる。見れば昨日別の物件で会った不動産屋のおねえさん。


不動産屋:「一体、物件はどこなの?見つからなくて」


知らんのか。お前、物件の案内人じゃないのかよ。ちなみにこの時点で午後7時。彼女は15分ほどチコクしてます(←そういう私もチコクしているので人のことは責められない)。


実はこれ、この不動産屋だけがアホタレなのじゃなくて、ほかの不動産屋に電話をかけた時にもこんなことがあった。


私:「この家、どんな感じですか」
相手:「新築の眺めのいいアパートで、広いベッドルームが二つあり…」



おーい、ウェブサイトの説明をボーヨミするだけならわしにもできるぞ。


なぜかこの不動産屋が内件をすると多くの人がやってくるらしく、この物件も前回ほどじゃないにせよ4−5組のグループが待っていた。で、この不動産屋がドアを開けた瞬間…いかりや長介を呼ばずしても「だめだこりゃ」と言いたくなるもの。


基本的な間取りは最初に見た家と同じ。細切れで使いづらい家。違いは…管理状況。つまり、ありていに言ってこの家、管理がなってない


入った瞬間に帰りたくなった家の嫌な匂い。中は古臭い家具と、手入れの行き届いてない家そのもの。前の家より家賃は確かに1100ユーロと100ユーロ安いが、たとえ安くても住みたくない。


なんだろう、このどよよよよーんと来る暗さは...


主寝室。ベッドの上に投げられたカーテンと、どうしようもなく家具が、たとえインターネットで匂いは伝わらずとも、ダメダメな雰囲気は十分伝わってくると思います。

♪シングルベッドでゆーめーと...って、狭すぎだよ。この部屋。


こちらは、ベッドルームその2。なぜか「ダブルルーム二つ」と広告にあったのに、その実、シングルルームであるという罠。不動産屋のおねえさんは「ダブルベッドに交換するよう交渉してあげるわよ」と言っていたが、物理的にダブルベッドを置くことは不可能。詐欺だ。詐欺っ!


ひん曲がったブラインドがさらに哀愁とダメダメ感を引き立たせてます


水まわりだからか、さらに輪をかけていやーな匂いのするバスルーム。ただし、良く見ると、パワーシャワーがついているのはポイント高いかも。あ、そうだ、パワーシャワー。給湯システムについては後日触れます。


気がつくと、私たち以外のグループは一グループを除いていつの間にかいなくなっており(気持ちはわかる)。私たちもとっとと退散することに。


ちなみに、この不動産屋が案内してくれた家は、10組以上の人間が内見したにも拘らず、結局誰にも決まっていないとのこと。…忙しいのはわかるけど、ひとりひとりの客を大事にしないからそんなことになるんじゃないかと思う。


そして、時刻はすでに7時30分。急いで次の家に。


次の家。


よく分からん写真ですが、真ん中のちょっと引っ込んだところが玄関


左の家。見た瞬間に駄目そうな雰囲気だったが、ところが...


とにもかくにもきれい。カウンターキッチンに広いワードロープが備えつけられた二つの寝室。バスタブこそないもののきれいなバスルーム。言うことなし。ひでかす、ここにしよう!


ベッドルーム。きれいだ♪


別角度から。壁一面が収納。これは嬉しい。



で、窓から外を見ると、ほとんど向こうが見えないくらいと言っていいくらいの広い庭。あれがうちの一部なら、1100ユーロの家賃ではこりゃとんでもない掘り出し物だぞ。


私:「この庭は?」
大家:「あれはボクの庭」
私:「『ボクの庭?』



聞けば、この大家、両隣の家が自分のもので、そのうちの一軒に自分が住んでおり、もう一軒は借家として貸しているそうな。で、ここからがこの大家の頭のいいところで、この二軒の家の間にもう一軒建て増しをしてそこからの家賃をしっかり得ようとしたわけ。それがおよそ6年前でそんなわけで、モダンなきれいな家が建っているわけ。二階の間取りは、中央にバスルームがあり、奥と手前にほぼ同サイズのベッドルームがある...早い話が、ウナギの寝床のように長い家なのだ。


かくして、中庭は大家とこの家を含め三軒で共用。それを引き算に入れてもこのきれいな家は取るに値すると思う。かくして、私の中では心が決まった。


ところが、世の中そうは問屋が卸さない。次回に続く。




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