なべて世はこともなし
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2003年09月18日(木) ダブリン家がある(3)

詐欺集団による催眠商法なんてのが話題になったことがあります。「何とかセミナー」と称してどこかの会場に被害者を呼び出し、軟禁状態にて商品をしつこく売りつけ、判断能力が弱まった被害者がついと商品を買ってしまうという。


その被害者の気持ちがよーく分かります。


あーた、5軒ですよ。5軒。一晩に5軒もの家を見ると、ほとんどどーでもよくなってきます。もーどーでもいいよって。そんな訳で、この文章もふだんあまり使わない「ー」を多用してます(ふだんこの日記では「どーでもいい」ではなく「どうでもいい」と表記します)。まー聞いてくださいよ。


この日も午後4時ちょうどに会社を脱出。最初のアポは、午後4時45分にArtane Castle(自称ショッピングセンター=でも実質TescoとPenniesしかない)から歩いて数分のところにある4ベッドルームの家。





まあここがすごい状態でして。今まさにリフォームの真っ最中。床のカーペットは引っぺがされ、壁という壁は「ペンキ塗りたて」。この状態じゃあ何がなんだか全然分からない。ただ、家自体は大きく、リフォームが済めば住みやすい家になりそうな気配。4ベッドルームで1400ユーロなり。


で、次のアポまで時間があったのでEvening Heraldを買い、電話攻勢。2軒のアポを取る。ここで驚愕の事実発見。結局6軒のアポを取ったのだが、なんと6件中5軒の大家(あるいは不動産屋の担当者)の名前はJohn。誰もかれもみーんなJohn。ケータイが何度も鳴ったが、かかってくる相手みーんなJohn。こうなるともとから人の顔と名前を一致させるのが大の苦手の私。ましてや顔の見えない電話ではどれがどのJohnなんだか全然分からない。ちょっと苦労した。


で、Johnと電話でアポを取る。何度も書くけど、3年前とは全然状況が違う。電話をかける先、どの家もまだ借り手が見つかってない。「借り手市場」とまでは行かずとも、大家と対等に渡り合える状態になっている。別の家に電話するがちょっど話を知っているJohnが不在らしく、折り返し電話の約束。ま、かかってくるわけはないですが。


閑話休題。今度は例のBeaumont Hospitalの隣りにあるBeaumont Woodへ。物件に着くが誰もいない。窓から中を盗み見ると、リビングルームにはコンポなどが置いてあり誰かが住んでいそうな雰囲気。10分ほど待つがだれも来ない。ひでかすがひとこと


ひでかす:「あれ、ここ違う通りじゃん」


そう、違う通りの全く関係のない家を4人で敷地に入り込んで中を覗いてました。一歩間違ってたらケーサツ沙汰だったな。


で、このBeaumont Wood。まだ建てられて5年くらいしか経っていない家でして、まずきれい。で、各部屋の大きさは古い家よりやや劣るけど、水まわりが優れている。すなわち、なんとトイレ・シャワーが3つもある。他のところはひとつなのでこの違いは大きい。採光なんかもうまくできてるから住んでいて気分がいい。家賃も1400ユーロと最初の家と同じ。が、ここにはひとつ致命的な欠点があった。


3ベッドルームしかない。


古い家にはリビングルーム以外にReception Roomと言って要するに予備室がある。で、この予備室もベッドすら運び入れれば立派なベッドルームになる。つまり3ベッド+Reception Roomというのは実質4ベッドルームとみなすことができるわけ。かくして3ベッドルームの物件でも実は4ベッドルームに化ける可能性がありだめもとでアポを取ったのだが、この物件の場合Reception Roomがないのでそういう芸当はできず結局ボツ。


なにせこういうBeaumont WoodやCollins Woodなどの新興住宅地に住むのが私たちの夢だったのだ。他の家と比べてみるとよく分かるが新興住宅地は家がきれいなだけではなく周りの雰囲気もいい。「住んでいて楽しく」(ひでかす談)なりそうな家なのだ。かくしてこのBeaumont Woodも私としては気に入っていたのでイコンが残る。


そしてこの日の後半の話は翌日へ続く。

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