なべて世はこともなし
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2003年02月05日(水) 催眠商法がどうした?布団の押し売りもびっくりアイルランドの「合法」悪徳商法

家に帰ってくるとたまに郵便物に紛れ込んでスクラッチカードが紛れ込んでいることがあります。たいがいの場合、私はそのままごみ箱に捨てます。…というのもこのスクラッチカード、必ず当たるのです。


そもそも出所がはっきりしない。いったい郵便配達員のPaddyが一緒に配達したのかそれとも誰かが勝手にポストに投げ込んだのか。仮に出所がはっきりしても、毎回何かが当たるというのはあからさまにおかしい。何かの景品を得るためにうちの住所を教えたら、一発で、ダイレクトメールの山がポストに押し寄せ、ついでにセールス電話の攻勢が来るような気がする。実際、日本でケータイ電話を当てた後にそうなった。


で、まあ当たるものもなかなかすごい。


「現金1万ユーロ」だの「新車のローバー」などなど。


こういう商品の時にはこんな但し書きがある。


「当たりはこの賞品が当たることを保証するものではありません。最終の抽選者リストにお客様のお名前をお載せするものです」


…つまり当たってないんじゃねえか。


で、この前もやはりスクラッチカードが来て、私が捨てようとすると、例のダイエットバトルの敗者のドイツ人…うーん、めんどくさいから名前をつけよう。そう、ここから彼女の名前はSamantha(仮名)にします。で、Samanthaが私が捨てようとする2枚のカードを奪い取り、カードをこすると…


「おめでとうございます!宿泊無料招待券が当たりました!」


「おめでとうございます!ロンドンまでの無料航空券が当たりました!」



素朴に喜ぶ彼女。おめでたい人間。


「んなもん、なんか引っかけがあるに決まってるじゃん。チェックインタイムが午前2時とか、航空券は毎週水曜日の夜の最終便しか使えないとか…」


となだめる私に彼女は聞く耳持たず。で、彼女は当たり券を見て


「別にそんな引っかけないわよ。自分で住所を書いてスタンプを貼った封筒をこの住所に送るだけだって」


…ええまあ勝手にしてくださいと、その場はそれでおしまい。これが確か12月の初め頃の話。


で、今日、2/4。彼女のもとに2通の手紙がやってきた。中には…




無料宿泊券。そして




無料航空券。


嬉しそうにバウチャーを見つめる彼女を横目に、私はもくもくと夕飯のパスタを食べる。


ものを食べている時って、口と手は動いていますが、目は完全に遊んでいます。で、バウチャーの利用条件を読む彼女を見ていると、だんだん顔が曇ってくるのが分かる。


「ちょっと見せてごらん」




まずは、ホテルの無料宿泊券。有効期限は今年の11月までとまあ悪くない。問題はここ。


「宿泊客は、毎晩ディナーと毎朝朝食を買わなければならない。そして右に明記している各ホテルの『最低利用料金』を支払わなければならない。」


で、右の各ホテルの「最低利用料金」を見ると、やれ50ユーロ(注:部屋単位じゃありません。各自でです)だなんだって。


…そんだけ払えばフツーのホテルに朝食付で泊まれるじゃん。




床で笑い転げそうになるのを必死にこらえ、お次は「無料航空券」


「各種税金は各自の負担となります」


まあそうだろうなあ。航空会社のマイレージで飛ぶ時も税金は各自負担だもんなあ。これはまあいい。


「目的地に最低3泊しなければならない」


ふーん、格安航空券の時のよくあるお約束は「土曜日に目的地にステイすること」ってあるけどこれはさらに厳しいやね。


で、お次を見た瞬間に私は思いきり吹き出してしまった。


「予約は弊社指定の旅行代理店でのみ承ります。航空券の予約と同時にホテルも予約しなければなりません。一晩ひとり150ユーロからになります」


アホか!一晩150ユーロx3晩で450ユーロ使わないと無料航空券はもらえんのかい!おまえ、ANAとJTBなんかは共同で「北海道2泊3日19800円カニ食べ放題」とかやってるぞ!そのほうがよっぽど安いじゃねえか!


更なる駄目押しとして、「このバウチャーは表の日付より3ヶ月有効です」と書いてあり、その日付はなぜか12/13。あと1ヶ月しか残っていない。さらにさらに、「2週間前までに予約してください」...使う暇ないやん。


まあ私が当てたんじゃあないですから別に私が暴れる必然性は全くないわけですが。


Samanthaはふたたび


カナーリ(´・ω・`)ショボーン。


状態になりましたとさ。ちゃんちゃん。


実はここまで書いたのは2/4のお話。で、昨日2/5に私はインターネットから家の電話代の明細付の請求書をダウンロードしたのだが、私は呆れ返ってしまった。


「プレミアムダイヤル1580(日本のダイヤルQに相当)
1/19 XX時XX分 4分32秒 7.13ユーロ
1/19 XX時XX分 4分23秒 6.89ユーロ
1/19 XX時XX分 4分32秒 7.13ユーロ
計21.16ユーロ。」



ちなみに税金21%は含まれておりません。つまり、25.6ユーロ彼女はドブに捨てた使ったわけ。で、私は彼女が何をしたか知っている。「このダイヤルにかけると何かが当たる」という懸賞のサービスの番号なんだそうな。さあ、再び彼女に無料宿泊券が当たったのか、はたまたパリまでの無料航空券が当たったのか、それは...もうすぐ分かります。ねー、Samanthaさー、知ってる?私が前回マンチェスターに行ったとき、私は航空券に35ユーロしか払ってないよ。


結論:このスクラッチカードはやっぱりサギ。甘い話にはやはり裏がある。


オフ会、いよいよ明後日です。「詳細聞いてないよー」という方は1/28の日記をご覧ください。


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