なべて世はこともなし
日記アーカイブ(インデックス)へ|前日の日記はこちら|翌日の日記はこちら
|アイルランド真実紀行へ
2001年08月27日(月) |
ベルギー旅行記(1) |
Kさんとまることおいらを乗せたRyanairのオンボロ737-200はほぼ定刻通りにダブリンを離れ、一路Brussels South(Charleroi)空港へ。
ヒコーキが好きな人はお気づきだろうが、この「格安」でおなじみのRyanairは今時70年代の遺物とも言える、B737-200型のヒコーキを使っている。どこかの航空会社が古くて手放した経年機をどこからともなく買ってきているのだ。ゆえに、いろいろなサイン(「禁煙」とか「非常口」とか)が訳の分からない言語で書かれていたりする。この日のヒコーキも、なんだか訳の分からない言語が並んでいた。当然のように機内もくたびれ果てた印象を受ける。
そこにダメ押しのように品のないアイルランド人のスッチーさんたち。いつも乗るたびに「もう乗るものか」と誓うRyanairながら、いつも安さの誘惑に勝てずに乗ってしまう。
今回も安かった。税金など全部含めて、ベルギーまで往復24ポンド(約3000円)。スカイマーク航空の目玉運賃東京−福岡片道3000円のさらに半額(考えてみればほぼ同じ距離)。まだまだ日本の空は安くなるような気がする。
んで、機内サービスが劣悪・有料なのを知っているおいらたちは、持参のパンと水で朝ご飯。で、そのゴミを捨てる段階になってKさんがとんでもないことに気づく。
「ゴミ袋がない」
普通のヒコーキには各席の前のポケットに耐水性のゴミ袋(早い話がゲロ袋)が備え付けてある。ところが、ないのだ。おいらたちの席に。良く調べてみると、3列シートのうちの一つだけにかろうじて一つ入っていた。…ということは、
ゲロ袋使いまわし
という恐ろしい事態も起こり得るのだろうか。そりゃコスト削減の為に、つまらない読むところのない機内誌を廃止したり、食べたくもない時間に出てくるメシをカットするというのは分かる。でも、ゲロ袋は必需品だと思うんだけど…。
さらにおいらたちの後ろに座るアイルランドの品のないガキ二人がおいらたちの席を蹴るのだ。これにはKさんマジギレ。さすがに本人には言わなかったものの、本気で怒っていた。こわー。
そんなこんなでBrussels South(Charleroi)空港に到着。ここ、RyanairはBrussels Southと強弁するが、じつはBrusselsからは月ほども離れており、最寄りの町はCharleroi。空港からの脱出は、Brusselsまでのシャトルバスを使うか、ローカルバスでCharleroiまで行くかのどちらかになる。Brusselsを素通りしてBruggeに行く予定のおいらたちはローカルバスでCharleroi駅へ。
駅のパブで朝から飲むおいらとまるこ。Kさんは2度目の朝食。ここのウェイターの少年、おいらたちに恐ろしいまでに腰が低い。腰を思いっきり曲げて、座っているおいらたちの目線に合わせて話をしてくれるのだ。で、話し方もていねい。
ああ、これが客商売なのね。
…と3人して感涙に浸る。どこのガイドブックだ?「アイルランドは人の優しさを思い出させてくれる癒しの場所」とかほざいてるのは?こちとらアイルランドに3年住んで、ベルギーに来て癒されとるぞ。
この日のベルギーの天気は最高。気温も30度はあったと思われる。そんな中、日陰で飲むビールはうまく、ついと1本遅い電車でBruggeへ。
おいらの今回の旅行の最大の目玉は、Mausi(=おいらの彼女、仮名)に会うこと。彼女とはBruggeの駅で会うことになっている。期待に胸膨らむおいらに彼女から
「電車に乗り遅れた」
というメッセージ。彼女のせいではなくて、彼女が乗った列車の到着が遅れて接続する列車に間に合わなかったとのこと。1時間遅れるらしい。仕方ない。
そんなこんなでBrugge(ブルージュ)着。まるこの説明によると、Bruggeは運河に囲まれた町で、日本人に大変な人気があるんだそうな。
で、冷房もなけりゃ大きな窓もない、サウナと化したバスでホテルへ。ホテルなんて言うとかっこいいが、その実ユースホステルに併設されたスーパー場末ホテル。チェックインしたおいらたちを待ち構えていたのは、ベッドが二つかろうじて置いてあるとんでもない狭さの部屋だった。
文句を言ってても仕方ないから、「こんなもの」と自分を言い聞かせ町の観光へ。
暑い。
暑い。
暑い。
暑い。
たった2週間前にもドイツで同じことを思った記憶があるが、アイルランドに住みなれたおいらたちにとって30度を超える気温は凶器に等しい。汗がだらだらと流れる。
まずは腹ごしらえということで、通り掛かりに見つけた場末のパブへ。中では、見たくもない上半身裸のジジイがビールを飲んでいる。中も暗いし、案の上飯もまずい。誰が選んだんだ?このパブ?
それから町のショッピングウィンドーから店という名の異次元空間に消えてしまった二人を残し、おいらはMausiを迎えに出る。Mausiも訳の分からないジャケットを小脇に抱えてやってきた。聞けば、この暑さはちょっと異常とのこと。確かに、暑い。
そんなこんなで夕食。まるこが仕事もせずにインターネットで厳選に厳選を重ねたシーフードレストランへ。そこでおいらは子エビのフライ(と言っても、衣では揚げていない)Mausiはサーモン、残りの二人はムール貝。さらにスターターはフィッシュスープ。
Kさんはフィッシュスープの旨さに泣いてました。更にムール貝の多さに泣いてました。おいらも素直においしいと思った。
それから町を散歩してその日はおしまい。
で、シアワセに眠りました…と行かないところがさすがはおいらたち。このぼろホテル、壁が、和紙でできているのではないかと思われるほど薄い。隣りの部屋のガキの声が聞こえてくる。さらに暑い。とっても寝苦しかった。
|