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♪雨が降ったらお休みで〜 家で本を読んで過ごした。

庄野潤三「孫の結婚式(2004-012)
講談社(2002年9月)

以前読んだ「散歩道から」と同じように、色々なところに単発で発表した文章を集めた本。随筆・書評・本の解説・同窓会の近況報告などなど。最後に雑誌「新潮」に載った江國香織との対談が納められている。
変奏曲のように孫の結婚式の席上で「どの孫の結婚式まで出られるだろうか」と思った様子などが何度も書き記される。
こう何度も紹介されると小沼丹さんの作品も読んでみたいわね。

神沢利子「流れのほとり(2004-013)
福音館日曜日文庫(1976年11月)

「くまの子ウーフ」の神沢さんの自伝的小説。なんて事は全く知らず子供の頃に読んだ本を再読。
炭坑技師の父を持つ麻子の家族が、樺太の静香で過ごす子供時代について綴られている。断片的に覚えている部分がいくつかあった。この本の中に出てきたとは思っていなかったエピソードにも再会できて嬉しかった。(しかし私が牛タンとか馬肉が食べられなかったのもひょっとするとこの本のせいかも…今は平気だけど。)
当時の樺太開発についても伺えるが、それより兄弟間の関係や、子供の学校に親の職業が関わる居心地の悪さ、ジェンダー問題(男女と言われる気持ちの悪さ)、世界の不思議について考えること、などについての描写が、忘れていた子供時代の色々を思い出させた。
何にしても、小学生にはちと難しい本だったと思ったよ。どうりで断片しか覚えてない筈だ。

ケネス・グレーアム「たのしい川べ(2004-014)
岩波少年文庫(2002年7月)

刊行日は新しいが、なつかしい本。これも再読。川ネズミと、モグラと、ヒキガエルと、アナグマの話。
これも今読み返してみると面白い話であるだけでなく、イギリスのバチェラー達の生活が伺える。でも寓話ではなく、自分の子供に即興で話していた話を知人女性の強い勧めでまとめたものだったらしい。「クマのプーさん」みたいなもんですね。(A.A.ミルンはこの本のファンだったらしい。そういえば訳者も挿絵も同じ組合せ。)ヒキガエルに(性格が)似ていたという息子さんが交通事故で亡くなったというのが切ない。
それにしてもイギリスは料理が美味しくないとはいうが、本に出てくるピクニックのお弁当なんかはものすごく美味しそうなのよね。

「コールドチキンがはいってる。」と、ネズミは、かんたんに答えました。「それから、コールドタンにコールドハムにコールドビーフにピクルスにサラダにフランスパンにサンドイッチに肉のかんずめにビールにレモネードにソーダ水−」
「ああ、ちょっと待ってくれたまえ!」モグラは、ぼうっとなって、大声をあげました。「きいてるだけでも、胸がいっぱいだ!」


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