いいことあった
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2003年12月28日(日) 冬本番なのに「春の花」椿、各地から季節外れの開花報告

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アメ横、正月用品求め27万人、売れ筋はカニやタコ
年末恒例ワニ池の大掃除で「気持ちよいワニ」 静岡(asahi.com)

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朝から年賀状の残りを印刷し、家人の分もついでに作ってあげて文面など確認しながら印刷。写真入年賀状を作ろうかと思ったけどケロの写真写りが悪く「本当はもっと可愛い」とコメントを入れるのもアレなので殆ど写真を入れなかった。(と、ここに書いてるのもアレなのだが。)

後からお祝いを頂いていた分、内祝いを何とか年内に届けたくてデパートへ。(得意のネット通販は年内配送が終わってしまっていた。)受付最終日だったが間に合った。お礼状の葉書を投函してしまっていたので(内祝いを送りますって書いて)セーフ。
通りすがりに目の前に試食品を出されてつい食べてしまい、たらのすり身にごぼうを入れたのと蛸を入れたのを買った。神楽坂五十番の肉まん屋さんもあったので久しぶりに買った。デパ地下って手ブラで出るの大変だわ。ふぅ。

図書館の本、手持ちで年を越すのが無理そうだったので図書館で補充。返す本持って来れば良かった…。1度に10冊までと決まっているので(「ナンセンス!」と野次を入れたい)吟味して2冊。酒井順子「少子」と池波正太郎編「鬼平犯科帳の世界」。
でまた読み終わっちゃった。あわわ。年越しが。

読書メモまとめて。

冲方丁「マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮(2003-117)
ハヤカワ文庫JA(2003年5月)

バロットとウフコックそしてドクターが、バロット殺人未遂事件を糸口にその先の組織的犯罪まで解決することで自分達の「有用性」を証明するために奔走する話。たぶん。三部作第一作目。愛されることが分からないバロットが愛についてと自分について、生きる意味を学んでいく話でもある。
あったらいいな、なドラえもん風ガジェットが色々出てきてうらやましい。あと小説じゃないととても読めない技術を駆使した人たちが出てきて気持ち悪い。バロットの心理とか過去とか痛い。初めて痴漢に会った時のことなど忘れていたことを思い出してあいたた。性犯罪はいかんですよ、ほんと。

冲方丁「マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼(2003-118)
ハヤカワ文庫JA(2003年7月)

1作目の最後で To be continued --- となって気になっていた話の続き。とりあえず何とかなって、その後また色々あって、また続く。被告側の事件屋ボイルドも自分の意思でそうなった訳ではなく…という話を挟んで、敵方にも感情移入させる。
カジノのゲームに延々ページを割いている。ツキが回ってくる瞬間はたぶんバロットじゃなくても身体感覚が身体以上に拡大して色々なことを同時に認識できるようになる。人間の能力は機械じゃ測れないからね。

池波正太郎「真田太平記(7)〜(18)(2003-119〜130)
朝日新聞社(1984年11月〜85年2月)

細かい出来事はメモとらなかったので省略。本来備忘メモとしては何巻でどの話が出てきたか書いておくと読み返す時便利なんだが…。
戦国時代の話は他に読んだことがなかったので、面白かった。名前だけ聞いたことのある人がどんなことをした人なのか分かったし、どうして真田家の中で真田幸村が有名なのかも分かった。いやー格好良かったっす。お兄ちゃんが真田家が絶えないようにしてくれるからって安心して「真田の兵法を天下に知らしめる」って負け戦しちゃうところなんて、庶民の心わしづかみ。お父さんは晩年は残念だったけど、ずいぶん面白い人生だったようで良かったね。お兄ちゃんは色々苦労したようだけど、善政で皆に好かれて良かったね。
そして、最後まできっちり書ききった池波さんは偉い。素晴らしい。余韻が良い。「仕掛人梅安」「鬼平犯科帳」が作者急逝のため未完なのを思うと、あれらの話も完結していたらどんな最後だっただろう、と溜息が出る。

それにしても「武揚伝」でも思ったけど、負け戦に「義によって」参加してしまう人達の正しい行動は辛い。命運の尽きかけていることは分かっているのに、それですんなり転身できないし、周りはアホばっかりだし。自分が頭だったら何とでもしてやるのに、と思っても封建社会だし。

機会があれば武田信玄と上杉謙信の話とか、加藤清正の話も読んでみたいな。戦国時代マニアがいるのもむべなるかな。

池波正太郎編「鬼平犯科帳の世界(2003-131)
文春文庫(1990年5月)

オール讀物臨時増刊号を本にしたものらしい。お楽しみいろいろ。池波さんインタビュー、主要登場人物データバンク、なんでも早わかり百科(「18世紀市井事情Q&A」面白い)、など。鬼平また読み返すか。剣客商売もいいけど。…あんまりはまると蔵書してしまいそうだから気をつけよう。

酒井順子「少子(2003-132)
講談社(2000年12月)

この本を読もうと思うきっかけとしてY田マルコさんが素敵な書評を書いておられるので、読みたい人はエンピツメインへ行って日記検索しておくんなまし。(と思って検索したらマルコさんが複数いらっしゃって驚いた。)

いやいや、面白かった。つい1年前まで私もこちら側にいたもので、膝を打って頷くこと多し。「少子・その理由」の「痛いから」なんてまさに私が子供が欲しくなかった理由のベスト3に入る。その他「結婚したくないから」「うらやましくないから」「愛せないかもしれないから」「面倒臭いから」「シャクだから」「男が情けないから」など膝を打つ人は多いと思う。
そして「少子・その対策」として「自分で育てない」「有名人に産んでもらう」「男にも産んでもらう」「戦争をしてみる」「宗教を信じてみる」を挙げつつ、でもこれじゃ無理だろうなぁという雰囲気を漂わせ、「おわりに」で「皆さん、この本のことは気にせず、バンバン子を産んで下さい。ありがとうございました。」で締めくくる。
…と思わせておいて最後のページに「世界人口の予測」図を載せて「とはいえ地球全体ではこんなに増えるみたいだから、まぁいいか。」

ぱちぱちぱち。

しかし拍手しつつ私は酒井順子の側にはいない。そしてこの本を読んで、ちょっと渡ってみたら川が増水して向こう岸に戻れなくなり「渡らない理由はやっぱりそんなにあったのか」という「しまった感」があった。そしてこちら側が居心地悪かったらどうしようという心配とか。
まぁ戻れないかもしれないけど20年もすれば水も引くだろうという甘い考えで始めたことなので、いいんですけど。冒険は飛び込んでみないとね。


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