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2003年02月06日(木) こんか漬けの話。

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しばらく前から読んでいる吉田健一の「酒肴酒」に、金沢の名物についてのくだりがあった。
「これが鰯を糠漬けにしたもので、つまり、金沢のこんか鰯である。内灘の鰯を何年か漬けたものだということで、その味といったらなかった。鰯もそんなふうに大事に漬けて置くとそのまま一種の酒に変るかして、塩が利いているはずなのにも拘らず、箸で摘み始めると切りがない。一口ごとに、食いしんぼうの天国に連れて行かれて、自分がまだそこの座敷にいることにやっと気が付けば、また一口、この幸福に浸りたくなる。」(「旅と味覚」より)

それでどんなものだか一度食べてみたいなぁ、と思っていたら思いがけず職場の同僚@富山出身に「糠漬けの鰤」を頂いた。
「これ、糠も美味しいから捨てないでね。知ってる?」
「こんか漬けですよね?聞いたことあります(ヨシケンから)。」

帰宅して、ご飯を炊いてわくわくして食べてみた。

・・・鰤の糠漬けですな。

美味いんだけど、食いしんぼうの天国へは行けなかったよう、ヨシケン。これって期待が大きすぎたから?鰯じゃないから?それとも家で何年も大事に漬けておいたのと違うから?箸で摘むというのでもっとしっとりしたものかと想像していたんだけど。
(下さったKさんありがとう。これはこれで美味しいものだと思いました。)

ということで、いつか本物のこんか鰯を食べるという夢ができた。(まだ言う。)


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