2002年01月12日(土) |
18億年前 -> 8世紀 -> 1898-1918 |
朝、陽気が良いという天気予報を見て外出日にした。 タイムスケールの大きい梯子。
まずはカハク(国立科学博物館)へ。特別展示を見に行った。
「化石の美と科学−太古の生物が造りだした芸術」 http://www.kahaku.go.jp/special/past/fossil/index.html
第一展示:アドルフ・ザイラッハー コレクション ベンド生物群という、進化の行き止まりのような生物の化石の、 名前の響きと想像される生活に胸が躍った。 「平行植物」とか「鼻行類」に似てるのだ、雰囲気が。 巨大ナメクジの這い跡にハインライン「人形つかい」という小説を 思い出した。うぷ。
第二展示:川下由太郎白亜紀アンモナイトコレクション 寮美千子さん「小惑星美術館」を思い出した。 北海道は二つの陸地がくっついたのね! 川下さんの原稿にあった言葉。『石炭も一つの燃える化石』
待望のミュージアムショップではぐるぐるぐるぐる巡った挙句、 白蝶貝(多分)の指輪を購入。300円也。 買おうと思ってた始祖鳥のハンカチは結局やめた。他にやめたのは 方解石、緑の螢石、孔雀石(この石の名前を見ると「石の花」という パベル・ペトロ−ヴィッチ・バジョ−フの小説を思い出す)。 オリジナル柄のバンダナ、ハンドタオル、恐竜柄の刺繍付ミニタオル。 タミヤのソーラー自動車キット。
上野で他に用事があったのだが、次の予定に間に合わなくなりそうで 赤坂見附へ移動。
「日本のやきもの1200年−奈良三彩から伊万里・鍋島、仁清・乾山−」 http://www.suntory.co.jp/sma/japanese/exhibition/20011204_yakimono/index.html
1時30分からのギャラリートークに何とか間に合う。 丁度最初の展示品「奈良三彩」の解説が始まったところだった。 お友達@学芸員のギャラリートークを応援しに行ってから、実は とても面白いものだと気付いたので、ぜひ聴きたかった。
時間が良い回だからか場所柄か、参加者が多く展示品は全く見えず。 しかし、学芸員さんがよく声の通る方だったので解説は聞こえた。 人込み苦手なのでちょっとづつ離れた場所をついて回った。
とても長い解説で脱落者続出(二時間以上)。 私も離れた場所で椅子に座って耳を傾けたりしていた。 解説自体は本当に興味深く楽しかったのですよ、疲れたけど。
有田焼の南蛮人は出島貿易の地域ネタ図柄だと思っていたけれど、 南蛮人=恵比寿、南蛮船=宝船 という見立ての吉祥図案だそう。 (物を見る目は知識によっても養われるのだ。大切なことだ。)
あと、自分の美術に関する知識の多くを「ギャラリー・フェイク」 (細野不二彦の漫画)に依っているということを実感。 #いや、よく役に立ってるんだ(^^ゞ
好きだなと思ったのは奈良三彩、灰志野、伊万里の器。
終わったのが4時近かったので、当初予定していた戸栗美術館を あきらめて「久しぶりに『しろたえ』へ行こう」と店に向かうと、 なんと外まであふれたお客さんが待っている。 並んでまで喫茶店に入る気にもなれず、そのまま渋谷へ出た。
「ウィーン分離派 1898-1918展 〜クリムトからシーレまで〜」 http://www.bunkamura.co.jp/museum/index.html
確かクノップフが出ていた筈・・・と行ったら3点出ていた。
「眠れるメドューサ(Sleeping Medusa)」1898年 パステル 「ヴァイオリニスト(Violinist)」1898年 赤チョーク 「女性習作 (Study of a Woman)」1900年頃 色チョーク 最後の絵は最近見たと思ったら千葉市美術館で一昨年開かれた 「ベルギー絵画−20世紀の巨匠」の時。(最近じゃないね。) 好きな絵だから嬉しい(^^)
あとヴィルヘルム・リストの 「聖エリザベート(バラの奇跡)」1905年 テンペラ これは本物見るの初めて。良い。
グスタフ・クリムトの 「『接吻』のための習作」「恋人たち」「抱擁するふたり」と いう素描に惹かれた。クリムトの有名な「接吻」などはあの 装飾過多なところがあまり好きじゃないけど、さらさらっと 描いた素描は、幸せそうで、色っぽくて、いい。
会場の出口で今回の図録と絵葉書数枚購入。 ミュージアムショップで今年買いそびれていたマグリットの 2002年カレンダー(値下された)を購入。スタンランの猫の 絵葉書も2枚購入。
今年こそマグリットのポスターと切手を額装しに持っていこう!
行き帰りに読んだ本。
アイザック・アシモフ他「不思議な猫たち」☆☆☆1/2(2002-003)
アンソロジー。以下収録作品内容メモor引用。
・フリッツ・ライバー 「猫の創造性」☆☆☆☆ (ガミッチによる水の中の霊的世界に関する考察と行為) ・マイクル・ビショップ 「つややかな猫たちのジグソー・パズルに見立てた人生」☆ きみが結婚する予定の女は、一夜のうちに、不穏な花型の 青あざのアラベスク模様に変身した。 ・タニス・リー 「焔の虎」☆☆☆ 猫の背中に片足を軽くのせ、こういった。 「いやなに、インドでしとめたのさ」 ・アイザック・アシモフ 「かわいい子猫ちゃん」☆☆☆ いっとくけどね、きみ、あいつにはぼくの心が読めたのさ。 ・ウォード・ムーア 「猫と話した少年」☆☆☆1/2 (自分の衝動に正直な夫婦と、常識的利己主義者の娘) ・ルーシャス・シェパード 「ジャガー・ハンター」☆☆☆ (中央アフリカ、熟れたマンゴーの実の匂いの女性) ・リリアン・J・ブラウン 「マダム・フロイの罪」☆☆☆ 彼女は独立心ゆえに尊敬され、わが道を貫き通す見事なまでの 手腕ゆえに賞賛され、白い胸の立ち毛と、スミレのような ブルーの瞳が与える一瞥によって愛されていたのだ。 ・パメラ・サージェント 「硝子の檻」☆ (ヒットラーとその愛人の飼っていた犬に猫が会う話) ・アーシュラ・K・ル・グィン 「メイのクーガー」☆☆ 「ミャーオにしてはたいしたものだったよ」 ・R・V・ブランハム 「草の色、血の色」☆☆ だって、あの部屋には鳥はいないんだもの! 鳥なんて、いないんだもの! ・ジョン・コリア 「多言無用」☆☆ この猫にはやはりオウムを食わせなければいけないし、 食わせれば予言者のように語りだすだろう。 ・アヴラム・デイヴィッドスン 「パスクァレ公の指輪」☆☆☆☆ 単一シチリアの王は歩道際の料理屋でパスタを食べていた。
花村萬月「自由に至る旅−オートバイの魅力・野宿の愉しみ」☆☆(2002-004)
著者秘蔵のツーリング写真のために買ったような本。 (GSX250Eはとても懐かしいバイクなので。) 内容はどうかな、と思いつつ買ったのだが、やはりどうかなだった。 つまりね、オートバイは乗るもんで語るもんじゃないって事。 乗ってない人には言っても仕方のないこと。 #わが身を振り返って反省しつつ。
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