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2008年02月07日(木) 元ボーイフレンド

確定申告の時期も近づいてまいりまして、経理がからっきしダメなじょりぃのところへ、会計クンがマメに通ってくる時期となりました。

何度か書いておりますが、会計クンはワタシの中学時代のボーイフレンドのひとりです。
そもそもは、彼のクラスにワタシが片想いしていた男の子がいて、それをきっかけに親しくなったのでした。
その男の子のことは、とにかくもう顔が大好きで(良い顔してたんですよー)、口もきけないほど憧れていたんです。
なんと言いましょうか、○○君に憧れているという状況の自分、が好きだったんだと思いますが。まだコドモですしねえ。
そしてもちろん、女の子のこともしっかりちゃっかり好きでしたし、ナナのことも好きでしたし。
ただ、この○○君のことは、中学に上がる前から「すてきー」と憧れていたんですよね。

で、いつも顔だけ見にフラフラとそのクラスに行っていたんですが、会計クンがある日突然

「じょりぃってさ、○○のことが好きなんでしょ」

と、ワタシに声をかけてきたんですわ。
で、そういうあんたは誰よ?というくらいの知り合いだった会計クンだったので、
まだ男子に愛想を振りまくとかそういうワザを知らなかったワタシは

「関係ないでしょ」

くらいの勢いで冷たくしたんですが(恥ずかしかったし)、それから会計クンはミョーにワタシにからんでくるようになりましてね。
そのうち
「○○とうまくいくように、俺が協力してやるよ」とか言い出したんですよね。

これは渡りに舟だと思ったワタシは「うん、お願い」と素直に応じまして。
とにかく、大好きな○○君の話を聞いてもらったり聞かせてもらったりするだけでうれしかったんですよ。
○○君とワタシにはなーーーーんの接点もなかったもんですから。

で、会計クンは○○君のことをいろいろと教えてくれたり、ワタシがぽーっと彼のことを話すのを聞いたりしてくれたんですが。

「でもあいつ、すげえ頭悪いんだぜ?」 <ホントに悪くてびっくりしました。勉強が出来ないんじゃなくて、頭が悪い。
「気が弱くて使い走りにされてるよ」
「顔しか良くなくない?」
「背も低いしさ」

とか言い出したんですよ。

まあ、ワタシにとって○○君というのは顔が全てだったので、頭が悪かろうが使い走られてようが知ったこっちゃなかったんですが。
不思議なことに「使い走りなんてかわいそう!」とも思わなかったんですよね。
「でも顔がいいしー」としか思わなかった。

で、そのうち会計クン、

「俺のが良くない?(・∀・)」

とか言い出しましてね。
このへんのずうずうしさが、ワタシに似ているところもある会計クンですが。

このあたりから「もしかしてこいつはワタシのことが好きなのだろうか」と思い始めたんですけれども。

しかしまあ、ワタシに興味のある共通の話題(○○君の話)もありますし、かわいい顔してますし背も高いし話もおもしろいし、頭もいいしスポーツ万能だし(小中学生ってどうしてこういうことを気にするのかしら)、「好かれてるならそれはそれで気分いいしー」と思って仲良くしていたわけなんですが。

そのうち会計クンが冗談ぽく「俺とつきあえよ」とか「好き」とか言い始めましてね。
バレンタインデーには「○○に渡してやるから、俺にもちょうだい」とチョコレートの催促もしやがりますし。
しかし何か軽い感じでしたし、当時ワタシの思い描いていた恋愛とはなんだか違っていたので「あー、はいはい」みたいに適当に相手していたんですよ。
「ワタシは○○君のことが好きって言ってるのに何言ってんの?」と思いましたし。伝えましたし。

で、中2の始め頃だったでしょうかねえ。
ある日、一緒に帰ってたら「じょりぃんちまで送っていく」とか言い出しましてね。
彼のほうが全然学校から家が近いので「無駄じゃん。ひとりで帰る」と断ったのですが、彼はにこにこ笑いながらついてきちゃいましてね。
結局家までついちゃったんです。うち、学校から遠いというのに。

「じゃあね」とそこでサヨナラしようと思ったら「トイレ貸して」と。

あがりこみました。

このときはたまたま両親が家にいましてね。
当然「あの子だあれ?」ってことになります。
ワタシの両親は男女交際についてまったくうるさくなかったですし、ワタシもオープンにしておりましたので(女女関係は伏せてましたが)

「いつも話してる会計クン。なんか知らないけど、送ってくれたの」 と答えまして。

そしたら母ったら、お茶なんか入れちゃうもんですから、会計クンはそのまま応接間へ通されちゃいまして。
ソファに座ってにこにこしてるんですわ。
で、なぜか両親も応接間に来て一緒に座ってにこにこしてるんです。
ワタシは「今日宿題いっぱい出ちゃったから早く帰ってくれないかなー」とか思ってました。

あたりさわりのない学校の話なんかを両親が振って、なごやかに歓談していたんですが、会計クン、突然

「俺、じょりぃのこと好きなんですよね」

と、両親に告白。

あまりの荒技に、一瞬にしてこいつを嫌いになりました。

「何言ってんの?!」 あわてふためく、弱冠13歳のじょりぃ。
「あら、そうなのー」となんだか嬉しそうな母親。
「会計クンは堂々としてるんだねー」と、のんきな父親。

実は学校の話なんかをしているときに、彼の印象ったら親にはものすごく良かったのでした。
物怖じというものをしませんし、頭の回転は良いですし、こどもらしい無邪気さ満載でしたし、それでいて受け答えにはソツがない。
と今はわかるじょりぃですが、当時はそういうところがすごくイヤだったんですよね。
「何このずうずうしいヤツヽ(`Д´)ノ」としか思えなかったんです。

「つきあっていいですか?」と会計クン。
ワタシはもう、腹が立ってしかたなかったんですけど、親はちっとも腹立ててくれないし。

ワタシにもマジメに正式な告白(とは何だろう、と今では思いますが、13歳のワタシにはそれは重要なことだったんですよ!)を済ませていないというのに、いきなり両親に打診してるんじゃねえよ!と、怒り心頭。

で、親はというと
「それはほら、ふたりで決めることだから、ねえ?」なんて言ってましてね。
「じょりぃがいいんならいいんじゃない?」と。

「ワタシは、ヤ」 とワタシ。
「なんでー?」と会計クン。
「好きじゃないから」

実はこの頃にはかなり会計クンに気持ちが傾いていたのですが、このときは頭きちゃってましたから、「絶対つきあうもんか!」と思ってしまったんですね。

それを受けた会計クンの次の言葉がこちらです。

「俺のこと好きになってつきあうって言うまで、帰らないから( ^ ∀ ^ )」

ずうずうしいにもほどがあります。
これにはさすがに親も引くだろうと思いましたら

「あら、じゃあ長くなりそうだから、お母さん、夕飯の支度の続きしてきてもいい?」と母。
「お父さんは巨人戦の続き見てくるね」と父。

ふたりっきりになってしまった(°▽°)


「 か え っ て よ 」
「じゃあ俺とつきあえば?」
「脅迫じゃん!」
「そだね( ^ ∀ ^ )」
「やだよもう帰ってよ。うち夕飯だし」
「あ、俺メシいらないから。さすがにそれはずうずうしいもんね」

そういう問題では、ない。

「そういうところが嫌いなんだよね」とワタシ。
「でもさー、じょりぃってもう俺のこと好きじゃん?( ^ ∀ ^ )」

と、またここでヽ(`Д´)ノうがああああああああ!と腹が立ったワタシですよ。
なんかホントに嫌いになってきました。

そして「帰れ」「つきあうまで帰らない」が何度も繰り返されましてね。
ホントにこいつ、自分の言い分通すまで帰らないつもりだ、とワタシも察してきまして。
そーゆー、ものすごい我を通すところが学校でも敵を作る原因になることも多い会計クンだったんですが。

で、ワタシも考えましたよ。
とりあえず、今日はとにかく帰ってほしい。
好きって言えば、つきあうって言えば帰ってくれるなら、もうそういうことでいいや。
明日さっそく別れよう。

ということで「わかった、つきあう」とお返事。
「やった」と会計クン。帰ってくれることに。ほっ。

「夕飯食べていけばー?」という両親に「いえ、迷惑ですから。俺も家にメシがあるし」と断り、会計クンは夜の7時半頃家に帰っていきました。

しかし家に帰っても、誰も待ってる人なんていない、と知ったのは、それからしばらく経ってからだったんですが。
会計クンのお父さんは会社のシャチョーさんだったんですが、あちこちに女性がいるような人だったんですね。
で、家庭は荒れていて、家ではいつもひとりで、なんて話をだんだん知ることになりまして。

そーゆー話に弱いワタシとしては、つきあうようになってからコロッといっちゃったんですよね。
「鳩がいるからさびしくないよ( ^ ∀ ^ )」<伝書鳩をたくさん飼っていた
「好きにギター弾けるしさー( ^ ∀ ^ )」<既にバンドやっていた

と、そーゆー「不幸を売りにしない」(てのも変ですが)ところも「すてきー」なんて思っちゃったりして。
それに「伝書鳩」「バンド」というじょりぃ心をくすぐるアイテムを野郎は持っておりましたし。

そんな具合にワタシが夢中になった頃に、彼はあっさり他の子を好きになり、ワタシ、振られてしまったんですが。
なんてこったい。


そして時は流れ。
7年くらい前ですか、仕事先で偶然会って

「経理自分でしてるの?えらいなあ。でも、これからは俺が見てあげる( ^ ∀ ^ )」

と、かつてのずうずうしさを思い起こさせる勢いで、押し掛け会計士になってくれたわけですが。
ワタシ、このときも実はイヤでですね。
自分でできるもん!と思ってましたし、知り合いに帳面見られるのって抵抗があるではないですか。

しかしワタシが大人になったように、彼も大人になってまして。
ずうずうしさは最初だけで、というか、それも結局のところ彼のやさしさからだったんですが。
ありえないくらいやっすい報酬で面倒見てくれてますし。とにかくやさしいですし、仕事も実に誠実。
今では全幅の信頼を寄せてますし、良い友人でもあるんですが。

ワタシたちがつきあうことになった中学のあの頃というのは、けっこうなアタックぶりだったんですよ、会計クン。
上記のように、かなり強引につきあうことになったわけですし。
ワタシにとっては振られたことと併せて、甘くほろ苦い、割と強い思い出になっていたわけなんですが。
そういえばダブルデートだというのにすっぽかされたこともあります。ひどい。腹立ってきた。

なのに

うちの仕事してもらうようになってひと月くらい経った頃に

「ねえ、俺よく覚えてないんだけどさ」と言い出したんです。
「うん?」
「もしかして、俺たちって、つきあってた?」


お ぼ え て ね え の か よ (°▽°)


「覚えてないの?」とワタシ。
「あはははは」
「つきあってたよ」
「やっぱそうか」
「忘れるなんてひどい」
「や、覚えてたよ」 どっちだよ。

いや。
こいつ、ホントに忘れてた。そんな気がする。


さて。ここまでが前フリです。


で、先日も経理見にきてくれましてね。
この書類が足りないよー、この仕訳が少なすぎるから入力落ちがあるんじゃないかなー調べておいてねー、と、いつもどおりやさしく親切に指導してくれまして。

「じゃあ、それ宿題ね。そしたら次はいつにしようか・・・ええと・・・」と、自分の手帳をめくる会計クン。
「今の時期、会計クンのほうが忙しいでしょうから、ワタシ合わせるよ」
「そう?悪いね。 ええとじゃあ、13日か14日は?」
「どっちも大丈夫よ」
「じゃあ14日で」
「はい」

スケジュール帳に書き込んでおりましたら、会計クンがハッとした感じで

「あ、ちょっと待って。やっぱ14日はやめた」と。

ふふ。

「なんで? いいじゃん。 チョコもらいに来てよ」とワタシ。
「だから変えようと思ったんだよ(・_・*)
 あるお客さんところがどういうわけかいつも俺、2月14日に約束入れてたみたいでさ。
 『チョコ狙って、わざとですか?』って去年イジワル言われてすげー恥ずかしかったのを思い出した(笑)」
「そうなんだ(笑) ワタシはチョコあげたいから、その日に来て?」
「そういうつもりじゃなかったんだよ!」
「わかってるって(笑)」

変わったもんですね。

すっかり大人になった、やさしくて紳士的な会計クンはつきあいやすくていつもありがとうなんですが。
かつての彼のずうずうしい傍若無人さを懐かしく思うとともに、ワタシもあの頃よりやさしくなってるわけでして、
なんかお互いにすごーーーーく年を取ったような気もして、さびしかったりもしたのでした。
再交付された免許証の写真があまりにも老けていたことも関係しているのかもしれません。


そして翌日、ちょっと奮発してチョコレート買いました。
今の会計クンに対して奮発したわけではなく、かつての幼いワタシたちへの感傷が、ワタシの財布の紐を緩くしたようです。
気合い入れてバレンタインデーのチョコ買ったのなんて、ほんっっっとーーーーーーに久しぶりだったので、対男性への自分の中の乙女ぶりにも大変自己満足中であります( ^ ∀ ^ )ワルクナイネ


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