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2007年10月20日(土) ドン亀

昨日、ケンタッキーができあがるのを待っている間にきょんとおしゃべりしていたときの話です。

「ワタシ、こういうファーストフードのバイトってできないなー」とワタシ。
「へ?なんで?」
「何か、用事が多そうじゃない? 大変そう」
「でもみんなやってるよ?」
「うん。でもなんか、ファーストフードの仕事ってワタシの苦手分野ばっかりって気がするし・・・」
「まあそうかもね」
「うん。それにほら、みんなが普通にできることって、ワタシ、できなくない?」
「ああ・・・」


『あたりまえのことができない』

・・・ということを、きょんとまだつきあう前にきょんに話したことがありました。
普通の人ができるなんでもないあたりまえのことが、ワタシ、できなくてーという話です。
後で知って呆れられると恥ずかしいので、最初にバラしておこうと思ったのでした。
それはそれはもう、ワタシとしては、ちょっとした「えへへ」な話題のつもりだったんですが。

きょん、なぜか怒りましてね。

「ふうん。普通の人のできることはできなくて、普通の人ができないことはできる特別な私って話ですか? なんかイヤミー。たいした態度ですね」 と。

ものすごい解釈に唖然として、もちろんケンカになったのですが。
当時はまだお互い敬語を使っていたので、敬語でケンカ。冷たい戦争です。
とはいえワタシたぶん殴られましたが。


で、ケンタッキーでの話に戻りまして。
きょんが
「確かにあなたはそういうところあるけど、仕事ってことになるとまた別なんじゃないの?」と。
「いや、それがさ・・・」

と、ここで、過去のワタシの仕事ぶりをお話してさしあげました。

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18歳の春。専門学校に入ったばかりの頃。
ワタシとなっちゃんはバイトを探しておりました。
まだ田舎にはアルバイト情報誌なんてなかった時代でしたので、バイト探しって割と大変だったんです。
張り紙やコネが頼りのバイト探し。
で、なっちゃん父の友人のつてで、某食品加工会社を紹介してもらえまして。
コンビニなどに売っているおにぎりやお総菜を作っている会社のライン作業でした。
「これなら誰でもできるから、安心して来てくれていいよ」ということで。
ちなみにワタシ、高校のときに家庭教師のバイトをしていたくらいで、組織の中でバイトをする、というのはこのときが初めてでございました。

ワタシとなっちゃんは、野菜サンドイッチの製造ラインに配置されました。
日によってラインは変わるそうですが、この日は野菜サンドでした。
そして、ワタシの仕事は

「流れてくるパンの上に、トマトスライスをのせる」という単純なものです。

説明を聞いたとき、ワタシは「ふはははははなんだその簡単な仕事。余裕」と思いました。
で、スタート。

ワタシのところに来るまでにも、レタスやらきゅうりやらのってきます。
ようし!トマトのせるぞーー!どんどん来い!
こんな簡単な仕事で時給もらっちゃって、なんか悪いですな!


数分後。

「ちょっと!機械止めてーーー!!!!」

と響く、パートのおばさんの声。
ええ、止まったのはワタシのせいです。
トマトのところだけ、仕事が滞っております。

スミマセンスミマセンと小さくなりながらトマトをのせ、機械スタート。

数分後。

「ちょっと!機械止めてーーー!!!!」

また響く、おばさんの声。

ということが、何度も繰り返されます。
止めているのはすべてワタシです。トマト担当じょりぃです。

なんか、のせきらないんですよ!
みなさん、ちゃっちゃかちゃっちゃかと自分の担当のものを手早く美しくのせているというのに、ワタシはトマトをトレーからはがすことすら満足にできないわけですよ!
両脇から伸びてくる手の間を縫って自分の作業をする、ということができないんですよ!
向こう岸にあるサンドイッチまで手が回らないんですよ!
あわあわあわ!なんてしてるうちに、サンドイッチは流れていくですよ!

激しい自己嫌悪な上に、パートのおばちゃんたちの怖いこと怖いこと。
まあ、おばちゃんたちの怒りも無理もありませんが。ていうか当然ですが。
なっちゃんの心配そうな視線も痛い。(なっちゃんは余裕でこなしていました)
機械が止まるたびに、おばちゃんたちのワタシを見る目が殺気だっていきます。
ああ、おうちに帰りたい。おかあさーーーーん・゜・(ノД`)・゜・。

その晩、知恵熱が出まして。まあでも37度程度の微熱でしたが。

翌日のその工場での仕事は、工場内清掃でした。
水も使って、モップやらでばしゃばしゃとキレイにしていくらしいです。
ああよかった。今日は製造ラインじゃないんだ。ほっ。
掃除くらいならワタシにだってできそうですし。体動かすのは得意ですよ!任せてください!
昨日の汚名をそそいでみせますよ!('∀^v)
モップを渡されまして、それスタート!

数分後。

モップを持ってうろうろしつつ、途方に暮れているじょりぃがおりました。

なんというか、この手のことに気が利かないんですわ、ワタシ。
そもそも考えてみたら、掃除って苦手分野でした。
まして、勤め始めて2日で、工場内の右も左もわかりません。
教えてくれる人もいません。
皆黙々と自分の作業をこなしています。
ワタシの作業っていったい何?<使えない人の典型
なっちゃんはお掃除得意ですし、こういうことに気が利きますし、要領よくやっているようです。
ワタシはなんだかやっぱりよくわからなくて、何か水ばっかりばしゃばしゃかかってしまい、しかも仕事がよくできずに焦っているので、作業着の中は汗だくですよ。

この晩、本格的に発熱。ダウン。
結局このバイトは、2日しか続きませんでした。
なっちゃんはお父さんのお友達の手前もあったので、ひとりでもう少し通ったようですが。
ごめんよなっちゃん(´・ω・`)

ワタシって、なんにもできないんだなー。
と、このときは本当に落ち込みました。
きょんの冒頭の言い分ではありませんが、「ワタシって何でもできるー」ってものすごく勘違いしていたんです、それまで。
実際は、誰でもできることすらできない、ドジでのろまな亀みたいなじょりぃだったわけですよ。
心はスチュワーデス物語の堀ちえみです。
でも愛してくれる教官はいません。ただのドン亀です。 古い話題でスミマセン。

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きょんとつきあって十年以上経っている現在ですが。たまにきょんが思い出したように

「本当にあたりまえのことができないんだね・・・」

としみじみと感心 じゃなくて軽蔑してくれます。

卵をかき回すことができない。
(できないわけでなくて、見てられないほどヘタクソなんだそうです)
(言われるまでこれはちゃんとできていると思っていたのに)

割り箸をキレイに割ることができない。

箸をちゃんと使えない。

洗濯したら干すことができない。(忘れるだけですが)

干したら取り込むことができない。(忘れるだけですが)

モノの大きさがわからない。
(総菜を器にあけたりするときに、いつも入り切らなくなります)

半分に切る、ということができない。
(スイカとか丸いものを半分にできません)

サランラップが上手に巻けない。

鍋料理とか、こぼさずに食べられない。

とりあえず今パッと思い浮かんだものだけでもこれだけあります。
もちろん、その他もろもろどっさりまだまだ。

たぶんきょん、そんなワタシのことがかわいくてしかたないんじゃないかと思います。
怒られるばかりで一度もそんなこと言われたことありませんけど( ´_ゝ`)

ついさっきも

「洗ったら干せって言ってるでしょーーーーーー!!!!」

と怒られたので、せっかくなので日記をしたためてみました。
ドン亀日記。

もちろん、「普通の人ができないこと」 なんかもできません( ^ ∀ ^ )


昔怒った分、返しやがれ、きょん(`Д´*)


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