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2003年08月20日(水) きょん、抜歯

本日、きょんは歯を抜きました。親知らずです。

親知らずが生えてきたという書き込みを、本日areyさんもなさっておりましたが。
生え具合によっては大変らしいじゃないですか、親知らずって。
ワタシ、生えたことないのでわからないんですが。

本日きょんは、お仕事がお休みの日でして。
で、朝。
仕事をしていたら、きょんが仕事部屋に入ってきまして

「あたし今日、歯を抜くから、夕飯つくりたくないんだよね。じょりぃ、実家かナナの家にでも行って食べさせてもらってきてくれない?」と。

・・・・・・・・・。

別に自分の夕飯くらいテキトウになんとかできるのに。
ワタシが家にいるとジャマくさいんでしょうか。
いや、たぶん、純粋にワタシのごはんの支度を心配してくれたのだとは思うんですが。
ワタシ、アホっ子みたいじゃないですか、これって。

「え。 別にだいじょぶだけど」
「行ってくれば。行ってきなよ」

やはりジャマなのでしょうか。

イヤですよ。そんな事情でよそサマの食事にお邪魔するなんて。
実家に行けば喜んで迎えてくれそうですが、まあ、なんていいますか、めんどくさいです。

それに「こういう事情なので、夕飯食べに行ってもいい?」なんてナナに言ったら、
「は?」と言われて 「イヤだ」と言われそうな。
ナナの場合、自分から「食べに来れば?」と言う場合はもちろんOKですが、こっちの都合で、しかも「ナナのごはん食べたいから」とか「子供と遊びたいから」とかいう理由でなく「今日、きょんが歯を抜いて作れないから」なんて言ったら、絶対「やなこった」モードになるでありましょう。

実例。

夕飯の後、ナナはたいていコーヒーを入れてくれます。
たぶん自分が飲みたいから、ワタシにもついでに出してくれてるんですが。
いつも出してくれるのに、ある日はたまたま出てこなくてですね。
ワタシは「アルコールを取りながら食事」をするか「食事の後にコーヒー」をしないと、なんだか落ち着かないんです。
なので、しばーらくもじもじと待っていたのですが、テレビを見ていたナナにちょっと言ってみました。

「あの」
「なに?」
「コーヒー飲みたいな」
「は?」
「あの。 コーヒー・・・」
「いいよ別に」
「ありがと」 ほっ。
「いいけどさ」
「え」
「あたしから入れる分にはかまわないんだけどさ、そっちから言われるとカチンとくるんだよね」
「・・・・・・・」
「入れたくないけど入れてあげるよしょーがない」
「い、いいですよ。じゃあ。」
「いいよ別に。あたしも飲みたかったし」
「・・・・(じゃ、いいんじゃん)」
「あーあ、めんどくさいな」
「だから、いいよう、入れなくて」
「あたしは飲みたくなったのっ」
「・・・・・・」
「自分の分だけ入れちゃったりして。きゃはははは」

ここで長女ちゃんから「ママって意地が悪い」とか次女ちゃんから「次女が入れてあげるよ」と助け船が。

こんな人に「夕飯食べさせて」などと、どうして言えましょう。

というわけで、夕飯は自分でなんとかすることに(当然です)。
そもそも、歯を抜いて難儀するであろうきょんを置いて、自分だけおいしいもの食べに出掛けるつもりもありませんし。

そう。
きょんは今まで2本親知らずを抜いたことがあり、そのときに比較的症状がラクだったために、たかをくくっていたのです。
本日ワタシは出掛けなくて正解でした。

お昼をちょっと過ぎた頃きょんが歯医者から帰って参りまして。
そのときは元気だったんです。

しかし、1時間後くらいにリビングに様子を見に行ってみると。

スゴイ出血。
きょんはワタシと違ってガマン強いので(だからワタシと暮らせているとも言える)、「痛い」とか「つらい」とかあまり口にしないタチなのですが、そのきょんが「血が止まらなくてツライ」と。
口にティッシュ入れてたんですけど、なんかみるみる真っ赤になっていくんですよ。
ふと視線を移すと、それら使用済みティッシュが入ったスーパー袋が。
中身が真っ赤。なんか、ひたひたしてるし。チャプッてるというか。ティッシュで吸い切れていないんですよ、血が。

「うわあああああああこわいようううう。医者行ってこようよ、医者」びびるじょりぃ。
「んー・・・」
「き、気持ち悪かったりしない?」 顔色悪いし。貧血でも起こしてしまったら。
「だいじょぶ」
「歯医者に電話してみようよ。なんかおかしいよそれ」
「今、昼休みでしょ、医者」
「そ、そうか」

きょん、ぐったり。 たぶん本人もビビっているらしく。

いったん打ち合わせに出たじょりぃ。
小一時間ほどして家に戻り、玄関に入ったら。

血生ぐさい。

き、気のせいかな。

「血は止まった?」と訊いてみたら
「ダメ・・・」ぐったり。

なんだかホントにすごい血なんですが。
生理用ナプキンを奥歯にあててしまいたいくらいでございます。

午後の診察が始まるのを待って、きょんを連れて歯医者へ。
きょんは以前、一緒の会社に勤めているときに脳貧血かなにかで仕事中に「ばたんっ」と派手に倒れ、救急車で運ばれて行ったこともあるので、運転させるのが怖かったのです。
その倒れたときって、それはもう「アナタは葉緑素入り人間ですか?」とインタビューしたくなるほどに顔色が緑色だったきょんでございました。
まわりの同僚も「死んだかと思った」と言うほどの派手な倒れ方と見事な顔色だったのですが、おでこにコブ&あざだけで済みました。めでたし。

で、歯医者。

飛び入りだったにも関わらず、ワタシが受付でことさらおおげさに話したためか、診察室にはすぐに入れたのですが。

治療中の患者が、子供だったのですが。女の子。

なんだかすんごい騒ぎなんですけど。
阿鼻叫喚とでも言いましょうか。ものすごいエネルギーでもって、叫び、泣き、抵抗を続けております。
とにかく、麻酔を打ったきり、治療が進んでおりません。
何もしていないのに「痛いーーーー!!!!!!!!」
「何する気ーーーーーーー!!!!!」
「うぎゃあああああああああああああ!!!!!」 の連続。
「何にもしてないでしょー」と助手の人がなだめてもダメ。
母親は「麻酔がきいてるうちにやっちゃわないと、痛くなっちゃうでしょ!」ばかり。
子供にそんなこと何回言ったっところでわかんないですよ。

これでは先生にストレスがかかり、きょんへの治療が乱暴になってしまうのではないか。
と、余計なことを心配するじょりぃ。

絶叫少女、相変わらず絶叫継続。 それはそれはもうすさまじく。
歯医者だと思っていたけど、ここは地獄で、実は閻魔サマが舌を抜く作業をしてらっしゃるのかしら。てな感じです。
いっそ抜いちまえ、舌。なんて思ってませんよイヤだなあ。
待合室で待っていた患者さんも、何人か耳をふさぐしまつ。
そりゃ、歯の痛い人にはあれはキツかろう。

ワタシも最初は「子供じゃコワイだろうな。かわいそうに」なんて思っていたのですが、そんなのが20分以上続くうちにだんだん腹が立ってまいりました。

親!
もうちょっとどうにかできんのかい!
子供!
しっかりせいや!もうちょっと。

今までも当然、歯医者で泣く子には遭遇しましたけどね。チャンピオンですね、あの子。
ワタシが親なら、みぞおちに一撃食らわせて気絶させてしまうかも。というのはかなり本気の冗談ですが。

ワタシも子供の頃、歯医者が相当怖かったけど、泣いたことはなかったですよ。
だいたい、歯医者より、治療の痛みより、母親のほうが怖かったし。(それもスゴイが)
今なんて昔より痛くないはずなのになあ。根性ねえなあ。
親も子供の性格わかってるんだろうから、怖がっちゃう子なら、歯医者に来る前に「これこれこういうことを先生がしてくれるけど、麻酔という注射を打ってしまえば、そのときはちょっとちくっと痛いけど、あとは音がうるさいだけで、痛くないから、がんばろうね」くらいの事前説明くらいしておけばいいのに。
宇宙人に生体実験されるったって、フツウの子供ならあんな風に暴れたり泣いたりしないんじゃないかと。
それとも今の子はみんなああなんでしょうか。

ワタシあの女の子くらいの時は、歯医者に限らず痛い治療の際は、診察が終わって、母とふたりになったときにしくしくと泣いてましたけどね。
ガマンすれば、母親がやさしくしてくれた。負けて泣けば、怒られた。
それに子供なりに「今泣いたら、先生に悪い」という気遣いがちゃんとありました。「治してもらってるんだ」という自覚もあったし。
なっちゃんに訊いたらなっちゃんもそうだったって言うし、きょんだってもちろん「泣き虫だったけど、治療で泣いたりはしなかったな」と。
でもまあ、ワタシのまわりのみなさん、揃いも揃って強いですからね。
ターミネーターシリーズの、母となったサラ・コナー並に。
なのでみんな同じに考えちゃいけないのかもしれませんけど。

で、その子、診察室から出てもメソメソしてるようならまだかわいげがあったんですが、出てくるなりケロッとして鼻歌なんか歌ってやんの!
おかあさん、待合室のみんなが受けたストレスの損害賠償として、一人につき、そうですね、4760円くらいいただきましょうか。
子供に赤いフリフリのスカートはかせて髪をきれいに結っているヒマがあるのなら、歯医者に来る前の事前説明をしっかりしておくように。
はぁはぁ。<欲情でなくて、怒りのはぁはぁです

結局、その子のせいで、きょんの治療が終わるまでに1時間半以上かかりまして。
ワタシもすっかり「ドラえもん」を読みすすめることができて、それはそれで有意義だったのですけど。

この歯医者はマンガの揃え方が気が利いております。
「ゲゲゲの鬼太郎」の1・2巻、「元祖天才バカボン」の1巻と途中の何巻か、「ドラえもん」の1・2巻と途中の何巻か、「リボンの騎士」の1・2巻がありました。
なんだかこれらの1巻が読める、というのが、非常に気が利いているなあと。
特に「ゲゲゲ」の1巻が読めたのが嬉しかったです。えらいスケールの大きい話でした。
先生、マンガ少年だったんでしょうか。

圧迫止血されて、かなり痛かったらしいきょん。
抜いたトコ圧迫されれば、そりゃ痛いでしょうね。
なんだか助手席でしおれておりました。
で、結局圧迫もダメで、レーザーで焼かれたと言うことで「ちりちり痛かった」と申しておりました。

出血はだいぶ治まってきたようですが、まだ赤いティッシュを口にくわえております。気の毒に。
と思って、再度様子を見に行ってみたら、ティッシュは取り除かれておりました。血は引いたみたいです。
現在は激痛と闘っております。
「くだものたべれば〜・・・」と、気の抜けたような声でワタシの食後のデザートを心配しておりますが。
だから心配しなくていいんだってば。もう。

飼っている犬2頭が、やたらきょんになつくのでおかしいな、と思っていたら、血の匂いに刺激されているようです。
ちょっと目を離すと、食われてしまうかもしれませんね、きょん。
食べてもきっとおいしくないから、食べないようにね。犬ども。

そんなわけで、カロリーメイトのドリンク買ってきたり冷えピタをせっせと取り替えたりですね。
一応ポーズだけでも看病のフリをしているじょりぃでございますが。

神様仏様アッラーの神様。

どうかどうか、このままじょりぃに、親知らずが生えてきませんように。<必死

結局きょんのことより最後は自分の心配かい!、という「人間しょせん自分が大事」的真理に落としてみました。

みなさまも、歯は大切に。


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