仕事中、電話をしていたら 後ろを誰かが通った。 別にめずらしくも何ともない。 通路だから。 でも なぜか、彼だ。と思った。
当たり。 私は電話中だったので なにも話はしないけれど。 そこを彼が通って抜けていくなんて めったに無いので ちょっと驚き、がっかりした。 あー。電話してなきゃよかったな。
私の席から、見えるのは 会社の入り口。 何気なく、見えてしまう所。 パソコンで入力しているとき ふと顔をあげると 彼が外から戻ってきた所だった。 そんな事も珍しいことではないけれど 今日は目があった。 びっくりして すぐそらしてしまう。 あー。なんかおかしいかな。
彼の席は私の席から見れば 後ろになる。 時どきたずねてきてくれるけど 後ろから、くる。 カッと、私の椅子を蹴飛ばしながら。 だから、後ろから気配がすると さいきん、期待するようになってしまった。
でも、きょうは期待にはずれて 来なかった。 就業時間をすぎて、 もう帰り支度をしていると うしろから、 また気配がする。
彼。 明日は、出張だという。
ざんねんね。 明日も、あまり会えないね。 でも それを伝えに来てくれたから うれしかった。
話をしていたら 時計を気にしていたので 早々に切り上げた。 腕時計をみる 行為が、悲しかった。
デートかな。 なんて。
今週も忙しいね。
私の理想は。 彼に
結婚とは、 会いたくなくても会えてしまうこと。 かもしれない。
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