へい太の日記

2004年02月21日(土) 雪の繭

天上からは 冷たい雪が
舞い降りてくる
天上からの 冷たい雪が
降り積もる
しばらくは手のひらで融けていた雪が
見上げてみると
小さなドームのよう 体の周りに降り固まってゆく
白い繭のように 冷たい雪が体の周りを覆ってゆく
街灯の灯はまだ透けて見えている
街頭の雑踏はやがて消えてゆく
視線に曝されることもない
視線はもう刺さらない
騒音に悩まされることもない
騒音はもう届かない
ここいらでもう立ち止まったまま 春を待つ
背中の方がなんだかむずがゆい
変態のはじまりか 飛ぶための羽が用意されたのか
できるならビクトリアトリバネアゲハみたいな羽がいい
暖かい地へ一人飛んでゆける
羽が生えてくるのなら こんな雪もいい
雪が体を消し去って 静かに存在させてゆく
内側から温もっても 外から温もっても
やがて繭は溶けてゆくのだから


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へい太 [おてがみ] [へい太のほむぺ]

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