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2005年01月31日(月) |
「切ない」という感情 |
去年帰国した時に友達が言った。「テレビで見たんだけどね、欧米人とかって"切ない"っていう感情がないんでしょ?」と。どうなんだろうか。それからことあるごとにそれについて考えることになった。
日本人の両親を持つけれど欧米育ちで日本語よりも英語のほうが得意という日系人の友達に聞いてみた。すると「あるよ。"Depress"というのかな」とのこと。辞書を引いてみると「意気消沈」とか「元気をなくさせる」とでていた。広辞苑で"切ない"を引いてみると「圧迫されて苦しい。胸が締め付けられる思いでつらい」などとでていた。そうそう。意気消沈とか元気がないのと"切ない"は違う。わたしは日本人なので切ない感情というのはすごくある。
これについて時々考えるようになってから半年経つけれど、答えはわからない。マーティンは味噌汁やヒジキの煮物を普通に食べるガイジンであるし、社会のことについて話すときは視点が違っても最終的な意見はお互いに共感できるものであることが多い。それなのにどうしても"切ない"とかいう極繊細な感情表現を解かってもらえていないのでないかと感じてわたし達の間にすごく距離を感じることがある。でもそれはわたしが青い目から感情が読み取りにくいように、彼もわたしのブラウンの目から感情を読み取りにくいだけなのかもしれないとも思う。
でも欧米の映画に中に彼らが"切ない"表情をするのを見ることがある。彼らだって胸が締め付けられることはあるはずだ。
結論は今のところ「英語にはピッタリ該当する言葉がないだけなのではないか?」ということ。"Sad"も"Hurt"もいまいち違うように感じる。でも欧米人にもきっと切ない気持ちはあるのではないかと思う。それでは何故それに該当する言葉がないのか?とまたスタートラインに戻ってしまうのだけれど。。。。