⊂ダブルトラップ⊃
2008年10月31日(金)

青く澄んだ空から、黒い雨が降り地を固める。

ぬかるみの中で、足枷がぼくを過去へと引きずり戻す。




罪を犯し続けることが、生きて往くことなのだろうか。

自分だけ助かろうと、摩天楼からのびる糸に、縋ろうとしているのではないのだろうか。

認めることや罪悪感に震えることを、罪と読むの。
崩れてゆく心を支えるものがないことが、すべて償いなるの。


優しい嘘なんて生ぬるいから、夢の中でガラスを叩き割る。
だけど、叩いても叩いても、ガラスは割れなくて、最後にはぼくが傷ついている。



罪を重ねて大人に成って往くのだろうか。
ぼくはまだ苦悩し続けている。


降り続ける黒い雨の中、青空に腕を伸ばし、希望を求めながらぼくは。
体中にこびりついた罪をさすり続けている。


その、紙一重の、なんという儚さ。



ぬかるみに嵌った脚はとても重たく、歩む先を目指しても、そこにはまだまだ続いている、長い長いぬかるみの道。






いつか雨の音にもなれて、騒がしい静寂に涙をこぼす時がくるだろう。




眠れない、夜も朝も、思うのは、美しい未来。






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由弥 [御手紙]