$$ 平穏な日常 $$




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2021年06月03日(木) 「金がねえ」を口にできるということ

お金の話をするのは、好きですか?

私は苦手です。
子どもの頃から、人前でそういう話をするのはみっともないと教えられていました。
でもそれは、その人の家庭に関係するものだと、最近になって気づきました。
各々の人の家の仕事や環境で、お金が重要な意味を持つ場合、子どもへの教育にも金銭についての内容が大切になって来るんですね。

そう気づいたのは、実家がつくり酒屋だという知人と会話している時で。
「ああー、金がねえ」と直接的に言われたもので、「そういう言葉はどうなのよ」
「だって、ねえんだもん」
「そういう表現は苦手なんだよー。言霊っていうのがあるじゃん」

と返事したわけです。すると。
「ああ、おめえん家は、武家だし、もう片方は神主だし、金の話するのは駄目なのかもしれねえが、俺んちは商家だからよー」

…と続きました。
ん??商家ではお金の話をするのが普通なのか。
ああ、そりゃそうだ!!と、やっとわかってきたんです。

私は、お金が穢れだとまでは思いませんが、「金がない!」は穢れだと思います。
そして、穢れは神道では、流行病のように感染するものなんです。

掃除してみたら?と私は知人に言いました。
神道なんて気にしていない一般の人から見れば、私の言葉はとんちんかんかもしれませんし、失礼なことだったかもしれません。
が、掃除はいわば、邪気祓いです。(*^^)

ですが、その知人の家には、小さな子供がいて、すっきり片付けてもまたすぐ散らかる…と。
我が家にも犬がいますけれどね(^-^;

この知人と話すようになってから、他の人や親戚との会話でも「実家」や「先祖」の仕事について気にかけるようになりました。
武士なんて明治時代にとっくに失業してますが、やはりその価値観は多少残っているようなんです。

色々分析してみた結果、ごく簡略に言いますと。

商人の家では、お金の計算が大切。
職人の家では、道具と材料が命。
武家では稽古が大切。とにかく喧嘩には負けて帰るな、負けたら夕食抜き!
社家では清浄(掃除)が大切。とにかく自身も身の回りもぴかぴかに磨きあげろ!
農家では、土地。

となります。
お金があっても見せびらかすのは恥。(そんなにお金があるわけじゃないですけどね)
ないことを口にするのも恥であり、穢れたこと。
というのは、武家や社家の価値観なんだなあと、50近くになってやっと気づいたわけです。



そういう私の服装は、この季節なら、FILAの長袖パーカーとジーンズで毎日過ごしています。
同じものを複数枚買って、朝起きたらパーカーを着て、ジーンズはいて、仕事に行く。
他の人から見たら、、
「着た切りスズメじゃん。洗濯してないの」となりますが、洗濯できるように複数枚同じものを持っているわけです(*^^)
朝起きて洋服をコーディネイトする時間が惜しい。
手間をかける時間も惜しい。洗濯機に放り込めばきれいになる服でいいんです。職場に着いたら、制服がありますし。

お金がないわけじゃないですよ。生活できるぐらいには稼いでいます。
でも、興味ないのヽ(´▽`)/
服は趣味じゃないのです。でもコスメは好き…という偏ったおしゃれをしています。

お金がない話を堂々としている人を見ると、やっぱり少し引いてしまいますが、その方の価値観を否定することはできません。
でも…
やっぱり違和感があって、居心地悪いのですよ。
どう返したらいいのかわからないというのもあります。

長年、家で擦り込まれたものですから、どうしようもない気がします…



そして、思うのですが。
武家が平気でする会話で、職人さんや商家が引いてしまうことってあるのでしょうか?
あ、そういえば。
私が手入れのための日本刀を部屋に持ってきていた時に「将棋さそうや」と我が家にいらっしゃったご近所の職人さん(畳屋さん)が、
「おいおい!きょーてーがな(岡山弁で「こわい」)」
と本気でびびってましたっけ…( = =)

普段は、結構こわがり(特に高所恐怖症)な私に、「やっぱり玉がねえとおえんか」「おなごじゃけえのお」とばかにするくせに、日本刀はこわいのね。

先に書きましたつくり酒屋出身の人はまた違うんですよ。日本刀は「売って金にするもの」らしいです。ヽ(´▽`)/
そんなに高い値がつく日本刀は滅多にないと思いますが、この違い、面白いものですね!

私は子どもの頃から日本刀のある家で育ちましたので、刀が怖いものだとはまったく思っていません。
祖父は、大小揃いを常に身近に置いていましたし、祖母も薙刀と槍を持っていました。
むしろ、日本刀がないと落ち着かない(^-^;

農家には昔から武器があるので、引かれたことはありません。

おそらく、一番日本刀で引いていくのは、家業関係なく、なんと行っても「左翼」でしょうね!

家業によって、価値観が変わるというのは、この知人と出会ってはじめて実感したことです。
維新このかた廃れたる日本刀も、現代を生きる私たちの心に影響している、と感じられて、この知人との出会いに感謝するばかり。
いつもありがとうございます。


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