昼食に誰かを待つ日は

2020年11月13日(金) 早起きに目覚める

すっかり早起きが得意になって、朝五時〜六時の間に目が覚める。朝は、静かで良いのです。ヒーターの首が回る音と、ヤカンでお湯が沸く音が部屋に響く。なんと朝から煮物をつくるようにもなったのだ。朝からぐつぐつ煮込んでいると、部屋のなかに良い匂いが充満する。そうこうしているうちにだんだんと空が明るんで、私は机に向かう。そうして真っ白な紙に青いペンで、詩を模写する。きょうは谷川俊太郎さんの。とても静かな気持ちに、改めてなる。パソコンで字を打ち込むのとはまた全然ちがうものが立ち現れる。もっともっと考えなくては。
太陽がのぼって朝がくる。窓をあけると、冷たい風に体があたって身がしまる。ずっと暖かい場所にいては、なんだかだらけてしまいそうな気もするし。お外では、オリーブが背筋よく(?)伸びていた。鉢が窮屈そうだから、大きいものに取り替えなくちゃね。


早起きしたのに、仕事に行くのはやっぱりぎりぎり。自転車をめいっぱいこぐ。
朝がたのしみだ。早起きがたのしみだ。あの贅沢な時間に、なぜこれまで寝ていたのだろう!

ああ、竹ペンがほしい。



2020年11月03日(火) もたれあい

誰もいない職場に来ている。11月になってしまった。ゆっくりと自分の生活が一変している。そのなかに身を置くことを幸福だと思いたい。せめて目に見えない彼らだけには祝福してほしい。許されないのだから。あまりにも書きたいことが多すぎてなにも書けない。言葉におさめることがひどく難しいのです。この間写真を現像しにいくと、そこに奇跡のような一本の木がうつっていて、自分で撮ったものであるはずなのに、消えてしまいそうなほど神聖で儚くて、そうして美しかった。この木がある場所に行くには1日以上の時間が必要だし、ひとりではたどり着けない。誰にも言えないし、見せられない場所だ。でもあの木があるということは、私にとってどれだけ心強いことだろう。そうしてその隣に寄り添うようにしてある大きな石。それに自分たちを重ねた。根の部分で繋がっていたいと思った。



ごめんなさいと謝っても何にもならない。だから私は謝ることができない。どんな選択肢を取ったって、もう元の状態に戻ることができない。はたから見れば常識を逸した行為であり、倫理観の外れた行為だと批判される。そんなことは重々承知です。それが正しい。世間では。でも私は自分の尺度で動く。自分に嘘はつきたくない。その面では正々堂々としていたい。



少しでも気が緩まるとすぐ弱腰にはなる。だから茨木のり子の詩集を読んで、襟を正すのだ。強い眼差しの、凛とした女性になりたい。そしてあの人に、その姿をカメラで収めてほしい。人に見られたい、と思ったのは、この人が初めてかもしれない。この人がいてくれさえすれば、もう何でもよいのです。


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左岸 [MAIL]