2020年05月27日(水) |
早朝、散歩から帰ってきた息子とベランダに出る。この間蒔いたコンボルブルスの種が早速芽を出しているのを発見し、息子の表情が変わる。「ここも。ここもだよ!」。そして朝顔の弦が出ていることも発見。息子が蒔いたプランターの芽からの弦で、これがまた息子を喜ばす。「母ちゃんのより僕の方が早い!」。いやいや、競争してるわけじゃないんだよね、と心の中苦笑する私。一通り見て回ったら、今度は部屋に戻ってカブトムシの蛹のチェック。「母ちゃん、また動いた!」。一番手前に部屋を作った蛹が動いたという。角があるのかないのかがまだ分からない。うまいこと隠れていて見えないのだ。「どっちかなあ、雄かなあ、雌かなあ!」。息子のドキドキは止まらない。
鱗雲のような雲が東の空に拡がっていて、美しくてシャッターをパシャリ。でもその直後振り返ると、鱗は全くなくなっており。びっくりして二度見する。確かにさっきあったのに。ほんの一瞬の出来事に、私は息を呑む。世界はそんなふうに、気づかれない誰かの一瞬一瞬がこれでもかってほど横たわっているに違いない。だからせめて、そうであることを覚えておこう、と思う。
非常事態宣言は解除された。でも学校が通常に戻るにはまだまだ時間がかかるらしい。学校からの連絡で知る。分散登校。これじゃぁまったくもって仕事を進められない。仕事の方はもはや通常モード。このしわ寄せは何処に来るかと言えば私の睡眠時間だ。削るしかない。家族の誰にも見えないように小さくため息をつく。
息子とサスケと散歩に出掛けた折、四葉のクローバーを探しているおじいさんに出会った。息子が興味津々で駆け寄ると「一個あげるよ」と。大事に持って帰って今花瓶に活けてある。「幸せが来るのかなあ」と息子がわくわくした顔で言う。やってくる幸せって一体どんなものだろう。私も花瓶を見つめる。 そもそも。あのおじいさんは何故四葉のクローバーを探していたのだろう。何故あんなにもあっさり息子に葉を呉れたのだろう。呉れてしまってよかったんだろうか。何だか今更心配になる。おじいさんのところに四葉のクローバーの贈り物が、ちゃんと届きますように。
息子と家人が寝てからせっせと写真をプリントする日々。展示まであと一週間強。あっという間に過ぎるに違いない。作品の最終調整を済ませたら、パネル貼り。ああ、これが無事済むかどうか。頭の中がわちゃわちゃする。やらなければならないことが山積みで。なのに毎日息子に追われる日々。嗚呼、私に自由の時間をください。闇に染まった夜に向かって、つい呟きたくなる。 |
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