昼食に誰かを待つ日は

2020年01月07日(火) 苔むした服着た人



仕事中、二階堂奥歯さんという方の日記を読んでいた。彼女は飛び降り自殺をして死んでしまった。そのことも、きっちり明記されてあり、それが最後の日記となっている。二年間綴られたそれを読んでいたら、完全に引っ張られてしまった。いまは自分が亡霊のように感じる。さまざまなことに目を背けている自分を恥ずかしく思った。でも、とても彼女のようには生きられない。25歳くらいだろうか。彼女が読んでいた膨大な本の量には敬服する。本と共に生きていたひとだったんだろう。でも、もし物語がなかったら、彼女は。


仕事が終わる、18時半。近くの蕎麦屋で蕎麦を食べて、吉祥寺でスケジュール帳を買った。その後、服を3着。お金などないのに、お金をたくさん使いたくなった。緑色のおばあちゃんが着るような服を、私はいつ着るのだろう。
昨日見た夢。知人の言葉。
「甲斐さんはこの間、とても素敵な服を着ていた。でも実際、家の有り様はひどい。こんなふうな生活をしているとは、とても思えなかったよ。あれだけ素敵な服を着ていたのに」
そういって、知人は誰かに写真を見せている。いつ撮ったものなのか、そこには押し入れが写っていて、収まりきらない布団がはみだしていた。(実際私の部屋に押し入れはないんだけど)
そういう夢を見て、目覚めたあと、誰かを騙しているような気がして心地が悪くなる。
いや実際私は自分の部屋が好きなのだけど。でも素敵な服を持っているわけではないので、今日は素敵な服を買ってみた。買ったあとで、ちょっと虚しくなる。

今日はとても一人になりたくない日だ。
私はこの仕事、向いていないなあ。一生懸命力を注ぎたいのに、注ぎたくない。まったくだ。


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左岸 [MAIL]