昼食に誰かを待つ日は

2019年09月15日(日)

オムライスに福神漬けは合う。
ともだちからもらったワンピースを着て出かけたらうれしい気持ちになった。

レコード屋にてショパンの夜想曲を200円で買う。
すっかり秋のにおいがして、眠る前に涼しい風が部屋に入り込む。
鈴虫の音を聞きながら夜眠ると気持ちがいい。

いろんな悩み事や心配事があるような気もする。
でもすっかり今は気持ちがいいので放っておく。

フリッツ・ラングの『スピオーネ』という映画が素晴らしかった。
無声映画にピアノの伴奏がつく。
人間の心理、心の機微をピアノの音が表現し、
映画のなかでも役者の表現力、演出力、脚本力すべてが緻密。
映画の芸術、芸術の映画。そんな気がした。今そういう映画って、きっと滅多にない。

技術は今のほうが確かに優れているかもしれない。
でも、芸術作品ではない。

良い映画を見ると人生が豊かになりますね。
あしたは久しぶりにカレー屋への労働。

相方が奈良へ出張に出かけた。
夜、とある映画祭に寄稿する文章のタイトルをいっしょに考えていた。
黙する 噤む 樹々といった単語の候補が出てきて、
その言葉の意味をいっしょに考えていた深夜の時間がとても静かなものに思われた。

自信がないと、常々彼は言う。
言葉に対して常に慎重な彼の言葉は、すこし気障ではあるけれども綺麗で私は好きだ。
本人に言うと調子にのるからあまり言わないけれど、
自信がないと思っている人の書く文章のほうが信用できる。

自信がないから、どっしり構えるね。どっしり構えられるように頑張る。
と、コーヒーフロートを食べながら自分に言い聞かせるようにしていた姿がなんだか微笑ましかった。

夜想曲を今部屋で流しているけれど、
なんだか音が時々妙に伸びたり縮んだりしている・・・・
ひょ〜。


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左岸 [MAIL]